近況報告一覧
1月20日

いつも、お読み頂き、ありがとうございます。

「近況報告」 の 「日付」 と 「題名」 を併記した一覧を作り、
知りたい情報(内容)を検索し易いようにしました。

「近況報告」 には、ひと口では言い尽くし難くて、
家族だけでは看る事が出来ない難病のALS患者の「在宅療養生活」を
可能にした秘話?を包み隠さずさらけ出した積もりです。

改めて、医療、福祉、介護に携わる人や家族、友人、
闘病仲間から沢山のご支援を頂き、心から感謝しております。

「近況報告」は、月1回の更新でしたが、アクセスカウントに励まされて3年間も
継続する事が出来ました。
お蔭さまで、「今の自分が出来る事。今やらなければならない事」に挑戦し続けて、
とても充実した日々を送る事が出来ました。

また、難病のALSをさらけ出したことで 「情報共有化」 の輪が拡がり、
物凄く気持ちが楽になりました。
(乱文、誤字や脱字が有った事をどうか、お許し下さい。)

これで、私個人としてのデータベースの構築(現状分析)は、
ほぼ完成に近づいたような気がします。

月1回の定期更新から発生都度の更新に切り替えて、
更なる内容の充実を図りたいと考えています。

更に、闘病生活の永遠のテーマである 「長期在宅療養生活環境の向上」 
の課題に取り組み、難病患者や家族が希望を持って難病と向き合い、
共に生きられる道(社会保障制度)を切り拓いて行く必要があると考えています。

  たった一つの大切な命だから、
      運命と向き合い、自分らしい人生を
        心残す事なく、生き切りたいと考えています。

◆近況報告 一覧◆
2006年3月20日 定期入院について
2006年4月25日 玄関のスロープ
2006年5月21日 心と身体を癒すハープ演奏
2006年5月27日 日本ALS協会 群馬県支部総会
2006年6月6日 口腔内のケア
2006年6月23日 レスパイトサービス
2006年7月26日 楽しみな散歩の日
2006年8月30日 医大生が在宅療養生活を見学
2006年9月20日 ALS患者の衣食住
2006年10月20日 排泄の問題
2006年11月11日 難病療養者のつどい
2006年11月26日 ホームコンサート
2006年12月20日 在宅療養中のトラブル .1
2007年1月20日 在宅療養中のトラブル .2
2007年2月23日 在宅療養中のトラブル .3
2007年3月20日 訪問入浴サービス
2007年4月20日 リハビリテーション
2007年4月22日 統一地方選 後半戦
2007年5月20日 私の好きな散歩道  ◆散歩道
2007年5月20日 在宅療養中のトラブル .4
2007年6月12日 看護学生に体験談を発表
2007年7月20日 日本ALS協会 群馬県支部総会
2007年8月20日 ケアプラン
2007年9月25日 7年半ぶりの帰省
2007年10月26日 在宅療養生活の費用
2007年11月20日 社会資源の活用とその内容
2007年12月20日 群馬県支部 東毛地区交流会
2007年12月21日 専用車椅子で福祉車両への移乗
2008年1月20日 入院時の準備物品
2008年2月20日 機器のセットのしかた
2008年3月20日 日本一美しい桜
2008年4月20日 訪問介護
2008年5月20日 患者の信頼を勝ち獲るプロ集団
2008年6月20日 日本ALS協会 群馬県支部総会
2008年7月20日 家族旅行
2008年8月20日 妻のもうひとつの生き甲斐
2008年9月20日 専用車椅子
2008年10月20日 人工呼吸器
2008年11月22日 群馬県支部 東毛地区交流会
2008年12月20日 伝の心で実現したやり残した事
2009年1月20日 近況報告 一覧

 URL:http://www.geocities.jp/namiyokko68/home/
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伝の心で実現したやり残した事
12月20日

人生ピンピンコロリが理想ですが、人間はいや応なく病を患い、
いつかは、いや応なく死を迎えるのです。

これは、生きている人間の宿命であり、誰もが避けて通る事が出来ない道なのです。

永い期間患っていると幾つかやり残した事が気になるものです。

そのひとつに、我が家の 「車庫の改築」 の課題がありました。

それは、1974年(30歳、結婚をして3年目)の出来事です。
あの頃は、経済的には貧しくても精神的にはとても豊かでした。
夢や希望に燃え、気力、意欲や体力があった頃のお話しです。

妻が里帰り出産のために帰省し、待望の元気な娘が授かりました。

我が家に新しい輝く命(娘)が加わり、感動と一家のアルジとして
「幸せな家庭」を築く責任を感じたものです。
 
また、小坂明子の 「あなた」 、殿様キングスの 「なみだの操」 が大ヒットし
世の中を明るくしてくれました。

その一方では、第一次オイルショックの影響で、原材料がジワジワと高騰して行く中で、
念願の 「マイホーム」 の建設が進行しておりました。

4月に社宅からの引っ越しも終え、妻と娘を迎える準備は完全に整いました。

あの時の感動は生涯に亘って忘れる事はないでしょう!

これは、想定内の出来事であり、座右銘である
  〜夢を目標にして 「
努力」 すれば、必ず、夢は叶う!〜

夫婦が夢や目標を共有し、共同作業で築き上げた夢の実現の第一歩であり、
素晴らしい喜びと達成感を共に味わう事が出来ました。

また、地域社会に根を下ろした家族のスタートでもありました。

こんな家族を祝福するために、実家の兄が秋田杉を伐採後製材し車庫1棟分の
材木を新築祝いとして群馬まで運んでくれました。

自分で建てようと日曜大工を決心し、電動大工工具セット(日立)を購入しました。
 
車庫プラス物置の構想で、休日を利用して建築資材を買い集めました。
そして、基礎工事、材木加工、組み立て、屋根・外装・内装工事、電気工事、
土間に平板ブロックを敷き詰めるまで、楽しみながら、こつこつと1年がかりで
完成する事ができました。

少々狭い事を除けば、上々の使い勝手でした。
しかし、素人だけに、建て付けが曲がっているなど、
強度や安全性に不安を感じるようになりました。

台風や地震が来る度に不安を感じ、いつかは自己責任で建て替えなければなら
ないと思い続けてきました。

2004年、定年退職を機会に、我が愛車を約30年も 「風雨雪」 から守り続けて
来た自作の車庫に別れを告げようと決心しました。

永い人生には、想定外の事態が起こるものです。

人生の最大の 「
荒波」 の真っ只中で、私を襲った病魔と向き合い、慣れない
長期在宅療養生活が始まったばかりでした。

動けない、食べれない、話せない、呼吸する事が出来ないなどの重い障害があり、
絶望のどん底に追い込まれた 「
奈落期」 でもありました。
(呼吸障害のため 2003年(59歳)10月14日に人工呼吸器を装着)

気管切開手術で声を失い、手や足の自由を失い重度身体障害者になりました。
それでも、ALS患者が生きて行くには「コミュニケーション障害」だけは
どうしても乗り越えなければならない重要な問題です。

なぜなら、ALS患者は一人では絶対に生きて行く事が出来ないからです。

失われた身体機能を補うために介護者に自分の意思を伝えて手助けをして
貰う必要があるからです。

気管切開手術前1年ごろの時期だったと思います。
かかりつけ医(在宅主治医)が訪問看護ステーションを通して練習用にと
パソコン(伝の心?)を貸して下さいました。

スペックスイッチ(現在はピンタッチスイッチを額のシワで操作)の操作で
文字を一つ一つ拾っていくので、スピードは遅いものの自分の意志を正確に
伝える事が出来る確信を得ました。
 
意志伝達装置の申請に関しては、身体障害者手帳に、音声言語障害3級、
四肢1級が記載されてから、T保健福祉事務所のS保健師さんのご尽力により、
2003年12月17日に待望の 【意志伝達装置】 が導入されました。

これで、 「コミュニケーション障害」 を乗り越える環境が整いました。
後は、自分の声代わりとして必死で使いこなすだけです。

【意志伝達装置】 の一部分である 「伝の心の機能」 については、
「闘病記録」 の 「コミュニケーション障害」 を参照してください。

隣家で増改築工事が行われたのを機会に、その業者に車庫の改築案(3案)を
パソコン(伝の心)で作成し、業者の得意とする案を選び、見積もりを依頼しました。

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        車庫の仕様とお見積もりのお願い
       ━━━━━━━━━━━━━━━━━
アヅマヤ様式
屋根形状 切妻形または寄せ棟形
屋根材 ブルック材(黒色)
天井材 杉無垢材
壁材 杉無垢材 南:開放 東北西:一部開放
丸無垢材(12cm以上)
平板かブロック(庭にマッチするもの)
電気設備 照明1灯、コンセント1口、スイッチ

条件
普通車が1台、容易に格納できる広さであること
現状の車庫の解体費用のお見積もりをお願いします
できるだけ庭の花木に支障をきたさないこと
物置をどのようにしたら良いか検討中です
しき占めている平板は1/3から1/2使用し、他は新デザインの平板を使用できないか
電気配線の一部は転用してください

                   2004年3月20日
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

後日、詳細な 「図面」 と 「見積書」 が届き、予算オーバーだったのですが
「やるしかない!」 と決断し、即着工をお願いしました。

解体工事が始まる前に、物置の整理や廃棄作業を妻と息子が処理してくれました。

<改築後> <改築前>

2004年6月に念願の多目的車庫(定年退職記念館)が完成しました。
開放感があり、庭を眺めたり、車庫、物置、作業場、遊び場、バーベキュー、お茶、
などができます。

また、少し改造すると離れ部屋、事務所、倉庫にもできる優れものです。

気になるやり残した車庫の建て替えが完了し、これから約50年先までもの
安全と安心が確保されて愛車を守り、責任を果たす事が出来た喜びを噛み
締めているところです。

また、自分の思いが伝わる 【意志伝達装置】 の素晴らしさ!  
インターネットやメールも出来ますので、今では、日常生活に欠かす事が
出来ない重要な 「コミュニケーションツール」 となっています。

難病のALS患者の目線で、 【伝の心】 と言う操作性の優れたソフトを開発して
くれた方々に心から敬意を表したいと思います。

失われた身体機能を補うための福祉用具を開発してくれる人々、
【意志伝達装置】 や 【専用車椅子】 などの支援制度のお蔭で、
私達難病患者や家族が希望を持って難病と向き合い、共に生きられる事を
心から感謝しております。
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カレンダーを眺めていると、未来には、夢と予定が待っている。
過去には、戻れない思い出と体験・経験が残されている。
 
「未来は変える事が出来るが、過去は変える事は出来ない。」

しかし、過去は、未来に向かって生きた結果であり、人生の歴史が
刻み込まれた 「履歴書」 なのです。
 
これからも、夢を追い続けて、わが道に、
楽しい思い出や悔いのない体験を遺したいと考えています。
 
たった一つの大切な命だから!
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群馬県支部 東毛地区交流会
11月22日

【平成20年度 日本ALS協会 群馬県支部 東毛地区交流会】 
が、次のような要領で開催されました。

  と き  2008年11月22日(土) 午後1時半〜4時
  ところ  太田市社会教育総合センター(2F 第2講座室)
  テーマ  平成20年度 群馬県支部 東毛地区交流会

 出席者(17名) 支部役員2名、保健福祉事務所2名、患者3名、家族9名、ヘルパー1名


東毛地区交流会での出会いは、地域に根差した医療、福祉、介護などの情報を
得る事が出来る絶好の機会であり、また、患者やご家族との交流会を通じて、
希望と生きる力を貰う事が出来、不安が解消される事を期待して出席しました。

今回は、球麻痺、脚に障害を持つ人や人工呼吸器を装着した患者が参加したり、
在宅で介護を続けておられるご家族など、不安や悩みを抱えている人々が時間の
許すまで話し合い交流を深めました。

そして、ALSと向き合い、一緒になって闘うことを心の中で誓いました。

ALS患者やご家族には、苦しい時期に支えてくれる多くの人々が絶対に必要です!

昨年(2007年10月)、難病患者にとって明るいニュースが飛び込んで来ました。
京都大学(山中伸弥教授)で、皮膚から 「神経・骨・筋肉」 を再生することが出来る
「万能細胞」 を開発したと言うのです。

これには、文部科学省も22億円の予算を計上し、
実用化に向けた支援を行うほどの力の入れようです。

また、今年(2008年)のニュース
2008年8月1日のNHKニュース
 米ハーバード大学で、ALS患者からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製

2008年9月26日のNHKニュース
 米ハーバード大学で、危険性が低いiPS細胞を作製

2008年10月5日のNHKニュース
 日本国内で患者に向けにiPS細胞について説明会を開催

2008年10月7日のNHKニュース
 ALS患者(照川氏)が意思表示が出来なくなったら人工呼吸器を取り外して
 欲しいと言う願いが受け入られなかった

2008年10月10日のNHKニュース
 ウィルスを使用しないで、安全性が高いiPS細胞を作製
 京都大学(山中伸弥教授)

2008年11月6日の讀賣新聞、Yahoo!ニュース
 人のES細胞(胚性幹細胞)から大脳組織を作製ー理研グループが世界初

このように、日進月歩で展開される最先端の 「再生医療」 に大きな期待を寄せています。
ですから、命の限り希望を持ち続け、ALSと向き合いましょう。

「難病が難病でなくなる」 「生きる道を選んで本当によかった!」 と言える時代が
目の前に迫っているのです。

私は、ヘルパーさんの外出介助 【障害者自立支援法(障害福祉サービス契約)】を利用して、
東毛地区交流会に出席する事が出来ました。

お蔭さまで、元気と生きる力を貰う事が出来た、とても有意義な交流会でした。
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人工呼吸器
10月20日

私は難病のALSを患い、今年で9年目を迎えました。
これまでに、医療、福祉、介護に携わる人や家族、友人、闘病仲間から、
沢山のご支援を頂き、心から感謝しております。

特に、呼吸障害のため2003年(59歳)10月14日に気管切開手術をし人工呼吸器を装着し、
生きる道を選びました。
私の命綱である「人工呼吸器」を取り扱い、在宅療養生活を支えてくれる
(株)Mの存在は大変大きく、お世話になってから、満5年が経過しました。

(株)MのSさんは、在宅療養生活が円滑に行なえるように、
現場第一主義で何度も我が家に足を運び、人工呼吸器について色々と
ご指導して下さいました。
また、患者の健康状態やライフスタイルなどを自分の目で確かめ、
患者や家族のQOL向上のために、どんな支援をしたら良いのかを真剣に考えてくれました。

病状が比較的安定している
5年間で緊急入院が2回:延べ入院日数(26日)
緊急入院率:26日/(365日×5年)×100%=1.42%

☆2006年12月20日 (在宅療養中のトラブル .1)
☆2007年5月20日  (在宅療養中のトラブル .4)

動けない、食べれない、話せない、呼吸する事が出来ないなどの
重い障害を背負った心の傷を、外出(買い物、散歩)する事で癒やしたいと考えている。
(寝たきりの私にとって、住環境から抜けだす外出は、心と身体の最高のリハビリである)

これまでは、訪問介護の外出介助(買い物、散歩、通院‥)の際には、
車椅子に次の物を搭載しておりました。

人工呼吸器(約13s)+外部バッテリー(約15s)=約28s
患者の体重(約48s)+専用車椅子(約31.5s) =約79.5s

これでは、介護者の負担が大きく、電動車椅子(介助式)を検討しなければなら
ないと考えておりました。

こんな思いが通じたのでしょうか?

(株)MのSさんは、何よりも、患者、家族や介護者の目線に立ち、
軽薄短小(約4.5s)で、しかも、外部バッテリーが不要で、技術の粋を
結集した使い勝手が良い人工呼吸器を導入すると決断した事に、
大きな拍手を送りたいと思います。

 08.03.11 人工呼吸器(レジェンドエアー)交換(3/18,4/8)

導入に当たっては、入念な根回しと手順で進められて行きました。
デモ機で、患者や介護者に使い勝手が良いかを試す
かかりつけ医や病院の主治医を説得
医師が立ち会って設定値を決め、入力
看護師を集め、取り扱い方の説明
導入後も、回路交換の指導結果を自分の目で確かめる

このような、他人の命を預かる人々のお手本となる仕事の進め方、
熱心な患者思いの人に出会えてとても幸せです。

お蔭さまで、専用車椅子へ人工呼吸器の積み下ろしの作業がとても楽になり、
外出介助(買い物、散歩)の負担が軽減され、QOLが向上した事を実感しております。

これで、またひとつ 「長期在宅療養生活環境の向上」 が実現しましたので、
本当に感謝です。
かくなる上は、人工呼吸器装着期間の最長記録を目指す事がSさんに対する恩返
しだと考えています。

 人の命を預かる人々の 「愛」 と患者の 「心残す事なく、生き切りたい」 と言う
気持ちが統合されたとき、理想の介護や看護が実現出来るのではないのかと思う
この頃です。

今回は、人工呼吸器の 「各部の名称」 「付属機器」 「管理」 などについて紹介します。


◆人工呼吸器の各部の名称
 IMI(株)レジェンドエアー 取扱説明書を参照
<外観>
スタート/ストップキー 気道内圧チューブ接続口
メニューキー 呼吸回路吸気側接続口
アップキー 酸素センサ用ケーブル接続部
ダウンキー 電源インジケータ
確定キー アラームインジケータ
設定 ステータスインジケータ
呼気弁チューブ モニタ
<背面>
ON/OFFスイッチ
AC電源ケーブル
24V外部DC電源ケーブル接続部
外部アラーム用ケーブル接続部
メインエアインレット
酸素接続口
(ご注意)
 ※「メニューキー」を押すと、モニタに設定値が表示されます
  換気量:550ml/回、吸気時間:1.7秒/回、呼吸回数:15回/分
  
 ※アラームが鳴った時は適切な処置をすると自動的に消音します
  「AC電源ケーブル」を抜いた時には、「メニューキー」を押すと消音出来ます

◆人工呼吸器の付属機器
<回路> <人工鼻> <フィルター>

<24V外部DC電源ケーブル> <リュックサック>

◆人工呼吸器の管理(レジェンドエアー)
<運転の仕方>
人工呼吸器のAC電源ケーブルをコンセントに差し込みます(ご注意)
24V外部DC電源ケーブルで車のシガーライタから人工呼吸器の電源を取る事が出来、
外出するのにとても便利です
人工呼吸器の、スタート/ストップキーを押します
停電の場合は、自動的に内部バッテリーに切り替わり運転を継続します
(充電が100%で約24時間の運転が可能です)

<お手入れの仕方>
切開部をヒビディール液で消毒してYガーゼは毎日交換します
人工鼻は隔日に交換します
カニューレは1週間ごとに往診で交換します(カフ量16t)
両手にPVCグローブをします
カフ部にキシロカインゼリーを塗布し、カニューレにYガーゼを取り付けます
切開部を消毒綿(ヒビディール液)で消毒、カニューレを素早く交換します
カフのエアを16t入れ、カニューレバンドを取り付けます
回路は2週間ごとに交換します(使い捨て)
※フィルター、人工鼻、蛇腹を交換し、確実に接続します
インエアインレットのフィルターは1ヶ月ごとに交換します
(ご注意)
 ※カニューレや回路を乱暴に取り扱わないで下さい。涙やタンが出て、とても苦痛です。
 ※カニューレの交換後やカフのエアを入れ替えた時には、必ず、タンの吸引をしてください。

<ケア用医療消耗品>
カニューレ、Yガーゼ、特製綿棒、ヒビディール液、      
容器、オスバン液5%濃度、カット綿、イソプロ70%液、
(★印は有償)★PVCグローブ、★カテーテル、★カニューレバンド

<お手入れの仕方>
切開部をヒビディール液で消毒してYガーゼは毎日交換します
人工鼻は隔日に交換します
カニューレは1週間ごとに往診で交換します(カフ量16t)
両手にPVCグローブをします
カフ部にキシロカインゼリーを塗布し、カニューレにYガーゼを取り付けます
切開部を消毒綿(ヒビディール液)で消毒、カニューレを素早く交換します
カフのエアを16t入れ、カニューレバンドを取り付けます
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専用車椅子
9月20日

在宅療養生活の三種の神器と言えば 「電動ベッド、ポータブルトイレ、車椅子」 ですが、
難病のALS患者の私にとって、プラスワンの「四種の神器」は次のとおりです。

専用車椅子 運動機能障害を補う脚代わり
意思伝達装置 コミュニケーション障害を補う声代わり
人工呼吸器 呼吸障害を補う命綱
低圧持続吸引器 嚥下障害を補う喉代わり(唾液の処理)

【専用車椅子】 と言う道具によって、失った身体機能を補い、私の行動範囲を拡げ、
気分転換を図ってくれるので、生活の質(QOL)が向上した事を実感しています。
更に、身体障害者が生きて行くための 「生活必需品」 でもあり、 「夢や希望、楽しみ」
などをも載せて運んでくれるオーダーメイドのオンリーワン車椅子なのです。
そんな素晴らしい 【専用車椅子】 にネーミングを友人が考えてくれました。
ネーミングは 「優(ゆう)くん」 です。意味は、
人に優しい車椅子
地球環境に優しい乗り物
身体障害者に優しい車椅子を製作した心に感謝

重い障害を背負った心の傷を癒やすために、これからも、積極的に外へ飛び出し、
風・光や季節の移ろいを感じたり、友人と会ったり、散歩や旅行などを楽しみたいと
思っています。

今回は、人工呼吸器が搭載出来る 【専用車椅子】 の取り扱いが理解出来るように、
「各部の名称」 について説明致します。

<ご注意>
福祉機器としての 「専用車椅子」 の入手のしかたは、 「闘病記録 」の
「呼吸障害」 を参照してください。
住宅改造(スロープの設置、通路)や福祉車両の購入を検討される場合は、
必ず、「専用車椅子」で事前に確認をすると問題が解消されます。
 【専用車椅子】 で戸口など狭い所を通る場合は、
手を肘かけの内側に移して、安全を確保してください。

◆専用車椅子の各部の名称
 (有)阿南商会 フレキシブル AN-2000 取扱説明書を参照
 (介助式、改造型、製品質量:約31.5s)

前面
ヘッドパイプ(福祉車両の天井に当たるため取り外す)
ヘッドレストB
背クッション
背プレートパネル
肘かけ(脱着可能)
座クッション
座シートパネル
フットレスト
ふくらはぎパット
フットプレート
回路固定金具
テーブル(脱着可能)

前面
ブレーキレバー
(背)リクラレバー
(座)チルトレバー
介助ブレーキ
押し手
ヘッドレスト角度調整レバー
ヘッドレスト前後調整レバー
ヘッドレスト高さ調整つまみ
フットレスト固定ネジ(脱着可能)
置き皿(後にスライド可)
(人工呼吸器、吸引器や外部バッテリーを載せます)

側面
前輪キャスター
後輪
座ベルト
背ベルト

◆改善提案
 【専用車椅子】 で外出や散歩をして感じる事は、身体障害者にも優しい段差のない
街づくり(バリアフリー化)が着実に実現されていて、嬉しい限りです。
しかし、その反面、補修工事したつぎはぎの道路、砂利道(想定外)や化粧ブロックを
敷き詰めた歩道に凹凸や段差が意外と多い事です。
ALS患者の症状を考慮し、ずり落ち、乗り心地や人工呼吸器を守る 「振動対策 」の
必要性を感じている今、次のような改善提案をさせて頂く次第です。

首が据わらないため、ヘッドレストBの形状をU字形にする
肘かけに手の落下防止用のマジックベルトを設ける
振動を吸収する 「ショックアブソーバー」 を設ける
リクライニングの角度を平ら(フルフラットシート)に出来る
ベッドから専用車椅子に移乗するのに安全でとても便利です
(作業療法士の提案で改造済み→側面写真を参照)

◆検討課題
━━━━━━━━━◇ベッド⇔車椅子へ移乗◇━━━━━━━━━
【介護者1人で対応】
ベッドと車椅子の仕様
日常生活用具 電動ベッド 専用車椅子
高さ調節
リクライニング
フットレスト
可動(23〜58p
背可動(0〜50°)
脚可動(0〜30°)
固定
可動(10〜50°)
可動(0〜90°)

移乗のポイント
ベッドと車椅子を出来るだけ平らにし、スライディングシートを
使用して、身体を引きずる(持ち上げない)ようにして移乗する
(一人で30s超えないように、腰を庇いながら引きずる)
ALSは、痛みが伴わない神経難病です。
身体を移動するための動作には、何も支障はありません。
  (症状:四肢、体幹1級 身体障害者)

  A(頭)   B(腰)   C(脚)  A+B+C=48s
  ●━━━━━■━━━━━▲ ← 患者(私)の体重
  ↑(15s)  ↑(18s)  ↑(15s)
   ━━━━━━━━━     ← スライディングシート

車椅子へ移乗
ベッドの高さを58cmにし、ベッドを平らにします
(車椅子の高さよりもやや高めの位置にします)
車椅子のフットレストを下げ、リクライニングを平らにし、
肘かけを下げ、ベッドに車椅子を直角に近づけ、ブレーキを掛けます
人工呼吸器の電源コードを抜き、車椅子の後方から載せます
低圧持続吸引器の電源を固定用から携帯用に換え、車椅子に載せます
額に貼り付けたピンタッチスイッチ、排唾管、回路を取り外します
尻や背中にスライディングシートを敷き、脇を抱えて引きずるようにして
車椅子に乗せます
ブレーキを解除し、ベッドから車椅子を離し、リクライニングを起こし、
フットレストを上げ、肘かけをを上げます
回路、排唾管、額に呼び出しスイッチを取り付けます
靴下、リハビリシューズを履かせます
玄関のスロープ2箇所を設置します
「散歩時の準備物品」を持って、いざ!出発です

ベッドへ移乗
車椅子の車輪に付着した泥などを雑巾で拭き取ります
ベッドの高さを50cmにし、ベッドを平らにします
(車椅子の高さよりもやや低めの位置にします)
リハビリシューズ、靴下を脱がせます
車椅子のフットレストを下げ、リクライニングを平らにし、肘かけを下げ、
両脚をベッドに乗せるようにして車椅子を直角に近づけ、ブレーキを掛けます
車椅子の後方から人工呼吸器を取り出し、台に載せ、電源コードを差します
低圧持続吸引器の電源を携帯用から固定用に換え、車椅子から下ろします
額に貼り付けた呼び出しスイッチ、排唾管、回路を取り外します
脚や尻にスライディングシートを敷き、脚を抱えて、ゆっくり引きずるようにして
一旦ベッドに移乗します
それから、脇を抱えて引きずるようにして、ベッドの中央に移動します
ブレーキを解除し、ベッドから車椅子を離し、リクライニングを起こします
回路、排唾管、額にピンタッチスイッチを取り付けます
「散歩時の準備物品」を元の位置に戻します
玄関のスロープ2箇所を元の位置に戻します
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妻のもうひとつの生き甲斐
8月20日

私は難病ALSを患い、今年で9年目を迎えました。
特に、妻に介護のお世話になってから、8年目を迎えました。

昨年から、妻が介護の合い間を工面して、
少しばかりの畑で 「家庭菜園」 に挑戦し始めました。

農業の経験は全くなかったので、何時、どんな野菜を、
どんな方法で植えたら良いのかも分からない素人でした。

ですから、精々畑の草取りに追われ、野菜を育てて収穫するるのは難しいのでは
ないのかと見ていました。

ところが、近所の農家の人の指導を仰ぎ、時には、インターネットで調べながらチャレンジし、
肥沃な黒土から芽が出て、花が咲く感動や実を結び収穫する喜びを
体験する事が出来たのです。

時には、朝早起きし畑の草取りをしたり、野菜に水やりや肥料を施して育てた
野菜を収穫する度ごとに、私の目の前に運び、嬉しそうに披露してくれます。

自分で栽培した野菜の味は格別に美味しく、しかも、安全で安心であると、
しっかり味を占めた様子です。
お蔭さまで、私も、外出する度ごとに畑に立ち寄り、野菜が生長する様子を観察
する楽しみが増えました。

2007年実績
春蒔き野菜 秋蒔き野菜
ミニトマト 2株 小松菜 1畝
茄子 3株 シュンギク 1畝
ピーマン 3株 大根 1畝
インゲン 3株 ホウレンソウ 1畝
1畝 カキ菜
モロヘイヤ 2株
3株

 2008年
春蒔き野菜
品名 数量 区分 種蒔き日 収穫日 備考
じゃが芋 1s 種芋 3月15日 6月13日 切口に灰
2畝 4月20日 7月4日
ブロッコリー 5株 4月16日 6月12日 2株鳥被害
枝豆 1畝 4月16日 7月4日
茄子 3株 4月25日 6月18日
ミニトマト 2株 4月25日 7月4日 病気気味
小玉スイカ 2株 4月25日 7月19日 鳥、雹被害
ピーマン 3株 4月25日 6月16日 肥料不足
インゲン 3株 4月25日 6月4日
トウモロコシ 1畝 5月11日 7月16日 肥料不足

中国製冷凍毒ギョーザ事件で、改めて、 「食の安全・安心」 が問われ、製造工程、
検査体制や流通過程の見直しが迫られています。
この影響で、中国産野菜の輸入量が減少し、国産野菜が見直され、
価格の高騰が予想されます。

今だからこそ、休耕地を蘇えらせ、年々減少傾向にある農業人口や食料自給率に
歯止めを掛ける必要があるのではと考えています。
そして、生産者(農家)も消費者も共に生きられる農業政策を期待したいものです。
微力ながら、家庭菜園はこのような問題を考えるキッカケになればよいと考えています。


このような背景を踏まえて、生きて行くための 「食」 の大切さや奥深さを追求
する事はとても大事です。
農業離れや地球温暖化の影響による食糧危機や農産物の価格高騰に備えなければ
なりません。
そのために、自己防衛策として自給自足に近い生活を実現する必要があります。
夫婦が一緒になって勉強し、汗を流し、助け合って畑仕事(家庭菜園)が出来たなら、
どんなに楽しかった事でしょう。

残念ながら、今の私には妻の行動を見守る事しか出来ません。

私がALSを患ってから、私と妻はひとつになり、病気と向き合い、共に闘って来ました。
私の介護のために、妻の人生を犠牲にすることはとても辛いのですが
こんな姿になって、ごめんなさい。」 とひたすらに謝るだけです。
しかし、前向きでくよくよしない妻の性格に、私はどれだけ癒やされ、救われた事でしょう。

また、医療、福祉、介護の環境に携わる多くの人々との新しい出会いを力に、
触れ合いを励みに、多くのことを学びました。

お蔭さまで妻は主婦役から大変身し、看護役、介護役、男役(夫の代行)も
こなす行動が出来るようになりました。
いつも、傍にいてくれる妻がこのような知識を身に付ける事で、介護力、
セルフケア能力が向上し、維持期を安全で安心な在宅療養生活が送れるように
なった事に心から感謝しております。

もしも、妻がALSを患ったなら、私は妻のためにこれだけ尽くす事が出来たか
どうか自信がありません。
そればかりか、重度身体障害者の気持ち(心理)を理解し、 「心の傷を癒やす介護」
などは、到底出来なかっただろうと思います。
ですから、私がALSを患って良かったのだと思うようにしています。
更に、望む事は、私が先に逝って、妻には何時までも健康で長生きをして欲しい
と願うばかりです。
こればかりは選ぶ事が出来ず、誰も知る由もありません。
(人間の生涯は何時、やって来るのかは神のみ知るです。)

しかし、全国に7,700人のALS患者は、様々な症状と環境の下で不安、
悩みや疑問を抱え病気と向き合い闘っている訳ですから、あまり贅沢も言えません。

闘病仲間のひとり一人が同じ経験を共有する「ピア・サポーター(仲間の支援者)」
として、失ったからこそ見えて来る体験を伝える 「物言う難病患者」 になりましょう。
そして、下記のようなより大きな課題に取り組み活動したならば、大きなうねりと
なって人々の心を捕らえ、療養環境は飛躍的に向上する事に繋がると考えています。

 ALS患者が安心して療養出来る医療、福祉制度の確立
  長期療養の場の選択肢の拡大、在宅や入院療養環境の向上‥

 ALSの原因究明と治療法の開発のための支援
  平成20年8月1日のNHKニュース
  ALS患者からiPS万能細胞を作製 米ハーバード大学

このような、全国の患者や家族の願いを一手に引き受けて、日夜活動されている
【日本ALS協会】 は、とても有り難い存在です。
その積極的な活動内容は、機関誌(JALSA)で紹介されている通りです。

私も微力ながら、難病のALSと向き合って本気で生きた証しを残したいと言う
確かな 「
生きる目標」 を掴み、ホームページを開設しました。
更に、闘病生活の永遠のテーマである上記の課題に取り組み、難病患者や家族が
希望を持って難病と向き合い、共に生きられる道(社会保障制度)を切り拓いて行く
必要があると考えています。

そして、ALSと言う難病を背負った運命でも、たった一つの大切な命だから、
自分らしい人生を心残す事なく、生き切りたいと考えています。

「家庭菜園」 にチャレンジし、 「
新しい生き甲斐」 を見出した妻の一生懸命に
生きる熱い思いは、あの奈落期の介護の負担を乗り越えた 「
自信」 のようにも
見えました。
そして、何事も前向きに考える(プラス思考)人は、
強く生きる事が出来る尊さを教えてくれました。 
ひと周りもふた周り大きく成長した妻の姿はとても頼もしく感じています。
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家族旅行
7月20日

昨年、命を賭しての 「忘れえぬ挑戦の旅」 を強行して以来、かなりの自信が付いたので、
今年もまた、24時間介護の恩返しと家族の絆を深める 「家族旅行」 をしたいと思い続けて
おりました。

「父の日」 に、娘夫婦から贈られて来たプレゼントの中に 【バリアフリーの宿】 と
言う一冊の本が入っておりました。
それが背中を押してくれたお蔭で、実現に向けての家族会議が始まりました。

妻や息子の介助がない限り実現しない旅行だけに、息子の仕事の都合、食べる、見る、
遊ぶ、交通の便などを考慮しながら 【バリアフリーの宿】 を絞り込んで行きました。
 
海の幸を味わう 日本海を見る 新潟を元気付ける

妻が上記の条件を満たす 【バリアフリーの宿】 を本やインターネットで調べ、
身体障害者を受け入れてくれる設備の整った 【ザ・ホテルシーポート】 に予約を
してくれました。

夏休み前でしたので、希望通りの予約が出来ました。
尚、詳細は次のとおりです。

 と き   2008年7月14〜15日(月、火)
 宿泊先  新潟県 柏崎市 青海川 133-1
 宿 名  ザ・ホテルシーポート  пF0257-23-6294
 URL   http://www.hotelseaport.jp/

<第一日目の行程> 7/14 (9:30発-13:50着) 曇時々雨
自宅←R122→太田IC←関越道→北陸道←米山IC←R8→ホテル
  12q   190q  長岡JCT 37q 1q

<第二日目の行程> 7/15 (11:00発-16:40着) 晴
ホテル←R8→米山IC←北陸道→→上信越道→関越道→北関東道→太田IC←R122→自宅
    1q  34q  上越JCT 204q    藤岡JCT 5q       高崎JCT  31q 12q

 ザ・ホテルシーポート
米山ICから右折してR8を柏崎市街方面に1q余りの所の海辺の高台にありました。
部屋の窓から見える景色は、日本海の大海原の青色と大空の白い雲を仕切る水平線、
海岸に打ち寄せる白い波と潮騒の音が聞こえ、まるで豪華客船の船室から
眺めているような気分になります。
そんな雄大な景色が部屋に居ながら見れる場所に在りました。

エレベータは少々狭いのですが、車椅子のフットレストを下げ、
リクライニングを上げて3人が乗る事が出来る広さでした。

バリアフリールーム(トリプル)は、電動ベッドではないものの、
ベッドの間に車椅子が入るスペースはありました。

準備しておいてホテルで役に立った物品
延長コード:人工呼吸器の電源を取る
突っ張り棒&S形フック:車椅子に取り付けて栄養袋を吊る

新潟県中越沖地震(平成19年7月16日10時13分)の震災の爪跡はホテル周辺を
見る限りでは、既に復旧工事が終わり、夏本番を迎える準備が整っている様子でした。

しかし、現在も900世帯(2,531人)が仮設住宅で暮らしているそうです。

1日でも速く元の暮らしを取り戻すことが出来るよう心から願っております。
また、愛する郷土だから頑張れる! 
希望を持って努力すれば、必ず、復興に繋がると信じています。

 料理(食事)
海の幸や郷土料理でもてなしてくれた夕食は家族がとても満足してくれました。

私は、球麻痺がひどく飲食物を飲み込む事が全く出来ない嚥下障害があり、
経口摂取は一切出来ないので頼みませんでした。
自分の唾液でさえ飲み込む事が出来ず、24時間口に排唾管をくわえ低圧持続吸引器で
唾液を吸引している状態です。
そのため、胃ろう造設(03年09月59歳)をしました。

 朝、昼、夜
  ハーモニック(300t)+その他(約100t)+白湯(300t)+黒酢(40t)
  その他:味噌汁、野菜ジュース、ココア、グルコサミン、アクエリアス、ヨーグルト、お茶など

 寝る前:白湯(300t)  1日の合計水分摂取量:2,520t

以上のように限られた食事?ですが、どこでも簡単に摂取出来ます。
5年近くも口から食べていないのに生きているのが信じられません。
ハーモニック(栄養)の不思議なパワーに驚いています。
「食欲」 と言う生理的欲求は満たされる事はありませんが、とても経済的ですよ!

 日本海
海を見ると、戦時(太平洋戦争)中、父が徴兵制度で従軍(海軍)先から命名
してくれた名前の由来を考えてしまうのです。
穏やかな 「波」 の 「廣」 い海を眺めて、ひたすらに 「平和」 の願いを込めて
命名したと聞いております。

また、人生は、穏やかな波だけではなく、荒波、押し寄せる波、引いて行く波もある。
これらを広く受け止めて、乗り越えなければならないとも‥‥‥

訪れた日本海は、父が思いを込めた名前の由来を再現し、見事に証明してくれました。
(健康ならば勿論、海水浴!)
今までに、同名の人に出会った事がない価値ある固有名詞に改めて誇りを持って
生きたいと思います。

また、父は戦後の復興の中、家族を支えるため、夜明けから日没まで休む間もな
く働き続けました。
そんな、父の後姿から、人間が生きて行く上で最も大切な 「努力」 と 「自立」 を
する心を学びました。

私が勤務した会社は、労使の信頼関係があり、愛社精神を持って
一生懸命になって尽くすとそれに報いてくれる会社でした。

お蔭さまで、 「終身雇用(休職3年)」 を貫く事が出来ました。
この人生で最高の 「達成感」 を味わう事が出来たのは、父の思いを引き継いだ
お蔭であり、父への唯一の恩返しでもあると思っています。

しかし、時代の流れ(波)なのでしょうか?
現代は 「正社員と非正規社員」 の所得格差、 「ワーキングプア」 
や 「名ばかりの管理職」 のように、一生懸命になって働いても報われない、
豊かになれない社会なんて絶対におかしいと思いませんか?
(この現実には、とても複雑な心境になり、心が痛みます!?)

永い人生には、想定外の事態が起こるものです。
私は今、人生の最大の
 「荒波」 の真っ只中で、私を襲った病魔と向き合い闘病生活を
送っています。
動けない、食べれない、話せない、呼吸する事が出来ないなどの重い障害があり、
「自立」 どころか 「全介助(要介護5)」 を必要とする身体になってしまいました。

医療、福祉、介護に携わる人や家族、友人、闘病仲間のご支援を頂きながら、
せめて、 「感謝」 と 「努力」 をする心だけは失わずに、自分らしい人生を心残す事なく、
生き切りたいと考えています。

 高速道路
運動機能障害を持つALS患者にとって、高速道路のドライブはとても快適です。
信号機がない、急カーブがない、凹凸道や段差がないので振動が少ない、
一定の速度を保てる、目的地まで短時間に乗り換え無しで行ける、
有料道路の割引き制度が利用出来るからです。

また、サービスエリアはバリアフリーになっていて、
特産品や旬の食べ物に出会うのも楽しみです。

道路特定財源であるガソリン税(暫定税率)で道路網が整備され、
物流や人の移動が盛んになり、経済が発展するのは喜ばしい限りです。

しかし、高騰を続けている原油価格に歯止めが掛からず、あらゆる産業や家計を
直撃し悲鳴を上げています。

今こそ、危機感を持って大胆なエネルギー政策を掲げ、地球環境に優しい代替
エネルギーの開発を促進させなけれなりません。

ちなみに、この日(平成20年7月15日)の高速道路SAのレギュラーガソリンの価格
は182円/Lでした。

また、約2万隻の漁船が燃料費の高騰の影響を受け、全国一斉休漁の日でもありました。

今回は、海の幸でもてなしてくれた 「バリアフリーの宿」 、思い出を蘇えらせてくれた
日本海、高速道路の快適なドライブなどから生きる元気を貰い、楽しい思い出に残る
「家族旅行」 となった事は間違いありません。

介護や病気の日常を吹き飛ばして、思い切ってバリアフリー社会に飛び込み、
トラブルもなく、その恩恵を享受する事が出来ました。

また、「計画する喜び、実行する喜び、終わった後の喜び」 と三拍子が揃い、
更に、家族の絆を深めた素敵な旅♪〜でした。

<外泊時の準備物品>
「近況報告」 参照 ☆2007年9月25日 (7年半ぶりの帰省)
外出(外泊)する度ごとに改善し、安全で安心な外出(外泊)を楽し みたいと考えています。
(準備周到! 備えあれば、憂いなし)

<身体障害者の有料道路の割引き制度>
町役場(福祉課)で、次のような手続きをすると有料道路の割引き制度(半額)を利用出来ます。
身体障害者手帳に、次のような証明をしてくれます。
該当車両の登録番号  有効期限(誕生日2回毎に更新)

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日本ALS協会 群馬県支部総会
6月20日

【平成20年度 日本ALS協会 群馬県支部総会】
」が、次のような要領で盛大に開催されました。
 
総会での出会いが、ご参加頂いた方々の距離を縮め、コミュニケーションの輪が拡がり、
難病ALSの理解を深めて頂くキッカケとなる事を願っております。

そして、難病患者や家族が希望を持って難病と向き合い、
共に生きられる道(社会保障制度)を切り拓いて行く必要があると考えています。

引き続き、医療、福祉、介護に携わる人やボランティアの方々などの尚一層の
ご支援をお願い致します。

 と き  2008年5月31日(土)(13時半〜16時)
 ところ  群馬県社会福祉総合センター 8F(新前橋)
 テーマ 平成20年度 日本ALS協会 群馬県支部総会

 第1部
平成19年度 活動報告、会計報告 (原案を承認)
平成20年度 事業計画、予算案   (原案を承認)

 第2部 設立10周年記念講演
紀伊半島に多発するALS
 〜風土病としてのALS研究から、日本と世界のALSの原因解明へ〜

国立精神・神経センター病院長 日本神経学会理事長
葛原 茂樹 先生

座長:群馬大学医学部 神経内科学教授
岡本幸市先生

概要
東経135度付近に位置する紀伊半島やグアムなどに多発する
 風土病としてのALS研究を行なう。
 (現地調査、歴史的背景、環境、食べ物、水質、家系‥‥‥)

発症平均年齢が60代に突入し、年々高齢化が進んでいる。
 ALS患者の男女比率は3:2です。

人工呼吸器の装着率は、アメリカの富裕層で3%、日本は30%です。

TDP-43遺伝子、iPc万能細胞の画期的な発見で、
 ALSの原因究明と治療法の開発に大きな期待が寄せられています。

積極的に旅行を楽しんでください。

ヘルパーさんの外出介助 【障害者自立支援法(障害福祉サービス契約)】
を利用して、総会に出席する事が出来ました。

お蔭さまで、闘病仲間に会ったり講演を聞き、元気と生きる力を貰う事が出来た、
とても有意義な群馬県支部総会でした。

また、この日は、妻の同期入社の還暦を祝う会がありました。
総会とバッティングし、帰宅したのが19時で、合わなかったので欠席しました。

久し振りの再会で昔話に華を咲かせ、交友を温め合うチャンスだったのに、
本当に申し訳ありません。
交流会の写真

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患者の信頼を勝ち取るプロ集団
5月20日

ある日、MK病院の窓口である地域医療連携室からのメールを受信しました。
それは、当院で入院療養中のALS患者さんが息子さんの結婚披露宴に出席する
特別番組が2日間に亘って放送されるので、是非、テレビを見てくださいと言う内容でした。

早速、指定の日時にチャンネルを合わせて拝見しました。
MK病院とALS患者がひとつになり、まるで家族の一員を支援するかのように
手厚い看護で(病院から式場までの送迎や式場での看護師さんの付き添いなど)患者の
安全と安心を確保して無事に結婚式を成功させる内容でした。

息子の幸せを願わない親はいない。
また、自分の難病が息子の結婚に影響を与えなければ良いとか余計な心配をするものです。
息子の晴れ姿・晴れ舞台を自分の目でしっかりと見ることが出来た喜びを 「短歌」 で披露し、
その感激の深さを知る事が出来ました。
ALS患者にとって、感謝と感動に満ちた生涯忘れ得ぬ最高の1日になった事は
間違いありません。

テレビを見終えた私は、なんて優しさと思いやりのある素晴らしい病院であると
胸が熱くなりました。
これは、院長先生が理念としている 「愛・和・学」 が職員に浸透してる現われだと
後で伺い知る事が出来ました。

長期に亘って在宅療養を続けなければならないALS患者、家族にとって、
レスパイトケアをしてくれる地域医療に無くてはならない存在である素晴らしい
病院でもあるのです。

なるほど、難病患者を受け入れる施設があるくらいだから、
ごく自然な行動だったかも知れません。それにしても有り難い話しです。

私もリピーターとして、MK病院でレスパイトケアでお世話になり、
経験豊かな看護師さんの働いている姿から多くの愛(優しさといたわりの心)を学びました。
それは、患者の病気の良き理解者であり、良き支援者である看護師としての誇り
と自信と「 プロ魂」 を感じるときでもあるのです。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

━━━患者の視点での看護師のプロ魂━━━

 患者の要望に耳を傾け、それを引き出す技術と熱意

声を失い、手や足の自由を失い、目だけしか動かない寝たきりのALS患者か
ら要望を引き出すには相当の技術と根気が必要です。

総ての看護師が文字盤を当たり前のように使いこなし、患者のマバタキ合図で
1文字づつ確定しながらコミュニケーションがとれるのです。
決して、逃げたり投げ出したりしないで、ときには、メモを取りながら真剣に
最後まで聞く態度には本当に感謝です。
 
 「ほかに何かありませんか?」 と必ず聞いてくれる優しさ

声を失い、手や足の自由を失い、目だけしか動かない寝たきりのALS患者に
とってこれほど有り難い言葉はありません。
「自信」 と 「いたわりの心」 が要る勇気ある言葉だからです。
しかも、患者が満足するまで繰り返し聞いてくれるのです。
ですから、1回のナースコールで全力投球で取り組み、患者の満足と信頼を勝ち取り、
結果的には全体のナースコール件数が減少するのではないかと思います。
 
 寝たきりのALS患者へのいたわり

  リハビリテーション
  寝たきりのALS患者は、自分の意思で手や足を動かす事が全く出来ないため、
  看護師さんが、1日に1〜2回、例え3〜5分でも肩、手や足の関節可動域訓練を
  してくれるのです。
  これは、とても効果があり、本当に感謝です。

  ALSのリハビリテーションの目的
  廃用性の筋力の低下、関節拘縮などを防ぐ事にあります

  関節可動域(ROM)訓練
  関節が硬くなって動き難くならないように、
  各関節を十分に屈曲伸展を繰り返し行なってもらう事です

  頑張っている背中に、ホッとひと息ひと休み
  24時間、ベッドから背中が離れる事のない 「寝たきり」 の状態から、
  看護師さんが、1日に1〜2回、例え2〜3分でも側臥位にして背中をタッピングしたり、
  さすったり、空気の入れ替えをしたり、パジャマやシーツのシワを伸ばしてくれる
  ので本当に助かります。

  「寝かせきりにさせない!」 熱血看護師さん
  毎日、同じ天井や壁を眺め、ベッドから背中が離れる事のない「寝たきり」の
  生活から放れ、車椅子に移乗して院内や庭を巡る散歩は「百薬の長」です。
  どんな薬よりも良く効き、最高の気分転換になります。
  忙しい業務の合間を工面して、病室から連れ出してくれる熱血看護師さんには
  本当に感謝です。

 物音に敏感に反応する思いやり

「ナースコール」 は勿論のこと、人工呼吸器のアラーム音、うめき声、異常音
などが発生した場合には、直ぐに確認をする。
このような、気配りが出来る看護師さんに見守られている安心感は信頼と安らぎ
を生み出します。
 
 必ず「ナースコール」の動作を確認する優しさ

声を失い、手や足の自由を失い、目だけしか動かない寝たきりのALS患者にとって、
「ナースコール」 が鳴らないトラブルが発生すると一大事です。
助けを求め 「必要な時に、必要な看護」 をして頂く唯一の伝達手段を失ってしま
ったからです。
ですから、看護師さんが処置を終えて、病室を離れる際に、
「ナースコール(ピンタッチスイッチ)」 の動作を確認するので本当に助かります。
なぜなら、患者は 「安心」 を、看護師さんは患者の 「安全」 を確保出来るからです。
 
 むやみに家族を呼び出さないいたわり

家族が難病患者を抱え 「長期在宅療養生活」 を強いられ、その介護の負担は
あまりにも大きく想像の域を越えています。
時には、24時間介護から解放され、日頃の心身の疲労を回復し、気分転換を図り、
ホッと一息が出来る休憩場所が必要です。
そんな家族の切実な願いに応え、実際に 「レスパイトケア」 をして頂ける、
有り難い病院なのです。
ですから、難病患者を受け入れた期間は責任を持って、
患者の安全と安心を護ってくれるのです。
そして、 「家族へのいたわり」 をも配慮してくれるのです。
 

以上のように、単に 「ナースコール」 の対応だけに留まらず、総ては患者や家族のために、
病気についての研究をされ、病院が一丸となって、 「入院療養環境の向上」
を目指して日夜努力されているのです。

このような姿勢(風土)は、風になって院内外を吹き渡り、必ず、患者や家族の心を捕らえ、
信頼を勝ち取る事が出来るのです。

地域医療になくてはならない存在であるMK病院のお蔭で、私達難病患者や家族が
希望を持って難病と向き合い、共に生きられる事を心から感謝しております。
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訪問介護
4月20日

難病のALS患者が、安全で安心な在宅療養生活を送るには、
介護の負担があまりにも重く、家族だけでは看る事が出来ないので、
多くのご支援(社会資源の活用)が必要になります。

自分では何一つ出来ない全介助の身体(要介護5)を、24時間365日熟睡も
出来ない介護を続けている妻、その他に家事労働を担っている妻の 「外出の時間」
を工面しなければなりません。

何故なら、ALS患者が、1人で留守番をすると次のような理由から、
不安と危険が伴なうからです。

 突然タンが絡み次第にタンの量が増し呼吸困難になる事がある
 あくびやくしゃみなどで、排唾管が口から外れたり、
   人工呼吸器の回路の接続部が外れる事がある
 身体の一部がしびれても、暑(寒)くても体位交換が出来ない

ですから、妻は私のベッドから離れる時には、必ず行き先を告げてから行動します。
そして、常に 「呼び出しブザー」 の音を気にしてくれています。
私が穏やかな気持ちで在宅療養生活を送る事が出来るのは、
妻とのコミュニケーションが取れて 「必要な時に、必要な介護」 を受けているからだと
感謝しております。

このように、24時間見守り続けている妻の 「外出の時間」 を確保するには、
社会資源を活用しなければなりません。
それなので、下表のように色々と制約があるなかで、試行錯誤を繰り返しながら
現在は、次のような理由から 「訪問介護」 の外出介助を利用しています。

 「訪問介護」 は、時間が永く外出に適している
 一緒に外出するので「寝たきり」から放れ、気分転換になる
 病気を隠そうとせずにさらけ出すと気持ちが楽になる

項目 訪問看護 訪問介護 訪問入浴
適用保険
適用時間
所要人員
医療保険
1.5時間
1名
介護保険
2.5時間
1名
介護保険
1時間
3名
タンの吸引
外出介護
留守番

×
×

×

×
○(条件付)

  ケアプラン以外の緊急発生時の対応が課題です。
  介護者(妻)が体調が悪い、弔事などが発生した時の対応?

  デイケアセンターの利用も検討中です。
  (要介護5)を受け入れる施設をご存知の方は教えて下さい。

ヘルパーさんにお世話になり、今年で4年目を迎えました。
今では、妻の次に「私の病気の良き理解者であり、良き支援者」です。
ヘルパーさんには、主に「外出介助」を支援して頂いております。

訪問介護(2007年10月よりケアプラン変更)
火曜日 訪問介護(10:00-11:00) 外出介助(散歩)
水曜日 訪問介護(09:30-12:00) 外出介助(買い物、散歩)
金曜日 訪問介護(09:15-11:15) 外出介助(買い物、散歩)

私も妻も、私の変わり果てた姿を隠そうとせずにさらけ出して病気のことをより
多くの人に知って欲しいと思っていますから、何処でも出かけます。

お蔭さまで、毎日、同じ天井や壁を眺め、ベッドから背中が離れる事のない
「寝たきり」 の生活から放れ、ショッピング、散歩、入退院時や会合時の付き添い
など私の活動範囲を拡げてくれるので、気分転換になり、本当に助かります。

ショッピング
現役時代には、妻は働きながら家族の 「衣食住」 を総て担っていました。
こうした、内助の功のお蔭で、私も仕事に専念出来た事に感謝しています。

町内や半径10qの範囲(館林市、足利市、大泉町)に出かけます。
家族の 「衣食住」 を満たすためのショッピングは楽しいものです。
デパート、スーパー、ホームセンターなどには、身体障害者のための駐車場や
トイレが完備されています。
車椅子でも通る事が出来る広い通路、その周りには、工夫を凝らして展示された
季節の食材、衣類や日用品など見ているだけでも楽しくなります。
身体障害者にも優しい街づくり(バリアフリー社会)が着実に実現されていて、
嬉しい限りです。
  
☆2007年12月21日 (専用車椅子で福祉車両への移乗)


散歩
ショッピング後の余った時間で散歩をするようにしています。
この時ばかりは病気のことを忘れ、街が発展していく様子や季節の移ろいを
自分の目で感じたり、季節の陽射しや風を自分の肌で感じ、生きている事の
喜びを感じる時間なのです。
また、妻も日頃の運動不足を解消出来る良い機会だと捉え、楽しみにしています。

  ☆2006年7月26日 (楽しみな散歩の日)
  ☆2007年5月20日 (私の好きな散歩道)  ◆散歩道

入退院時の付き添い
 定期入院の場合は、車椅子への移乗や荷物が多いので、ヘルパーさんの
外出介助が必要ですので、早めの計画と準備が必要です。

  ☆2006年3月20日 (定期入院について)
  ☆2008年1月20日 (入院時の準備物品)

会合時の付き添い
 長時間になる外出の場合は、ヘルパーさんの外出介助
【障害者自立支援法(障害福祉サービス契約)】 を利用して、
積極的に参加するようにしています。

  ☆2007年7月20日 (日本ALS協会 群馬県支部総会)
  ☆2007年12月20日 (群馬県支部 東毛地区交流会)

更に、 「長期在宅療養生活環境の向上」 を図るには、 「外出の時間」 の他に、
介護者の 「自由な時間」 すなわち 「恩返しの介護休暇」 の確保が必要であると
考えています。

家族が患者の24時間介護から解放され、日頃の心身の疲労を回復し、
気分転換を図り、ホッと一息が出来る休憩場所が必要です。
人間ですもの、たまには、旅行に出かけたり、友人との茶会や食事会が必要なのです。
また、休養は、必ず、労働(介護)の再生産に結び付きます。

  ☆2006年3月20日 (定期入院について)
  ☆2006年6月23日 (レスパイトサービス)

社会資源の活用のお蔭で、普通の暮らしに近い生活を取り戻す事が出来、
私達難病患者や家族が希望を持って難病と向き合い、共に生きられる事を心から
感謝しております。
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日本一美しい桜
3月20日

私は難病ALSを患い、今年で9年目を迎えました。
これまでに、医療、福祉、介護に携わる人や家族、友人、闘病仲間から、沢山の
ご支援を頂き、心から感謝しております。

足や手に異常を感じ、病院を巡り歩き2001年4月27日(56歳)に群馬大学医学部
附属病院 神経内科で 【筋萎縮性側索硬化症(ALS)】 の 「告知」 を受けました。
病名を 「告」 げられても、病気を 「知」 るには、あまりにも苛酷な体験と辛くて
永い時間が必要でした。

ALS(Amyotrophic Lateral Screlosis)とはどんな病気?

 身体を動かすための神経系が変性していく病気です。
 その結果、足や手が全く動かず、また、口から食べる事も、
 話す事も、自力で呼吸する事も出来なくなる神経難病です。
 (運動神経:×  感覚神経や自律神経など:○)

ALSの症状が進行し、次第に失われていく身体機能が現実となったとき、
悔しくて悔しくて涙を流し、その涙さえ拭い去る事が出来ない身体に変わり果てて行きました。

ALSの主な症状

運動機能障害 1999年(55歳)秋頃 足の違和感で発病
  告知から僅か2年半で、病気が進行し、四肢麻痺、首が座らない、座位が出来ないなど
  の症状があり寝たきりの生活になりました。
 手足の自由を失う恐怖と苦悩との戦い!?‥‥‥

コミュニケーション障害 2000年(56歳)秋頃 構音障害の初期
  舌、咽頭筋の麻痺により、次第に発音が不明瞭になって来て、第三者には聞
  き取り難くなって来ました。
  気管切開手術(2003年10月59歳)を行ない完全に声を失いました。
 声を失う恐怖と苦悩との戦い!?‥‥‥

嚥下障害 2003年(59歳)09月13日 胃ろう造設
  舌の動きが鈍くなり、飲み込む力も次第に衰えて来ました。
  咽喉頭の筋力の低下(球麻痺)が進行し、飲食物や唾液を飲み込むのが
  困難になってきました。
 口から飲食出来なくなる恐怖と苦悩との戦い!?‥‥‥

呼吸障害 2003年(59歳)10月14日 人工呼吸器を装着
  呼吸筋の筋力が低下すると、肺活量も減少して換気が十分に行なわれず、
  息苦しくて眠りも浅くなり、血液中の炭酸ガスの量が増し、頭痛の症状が現れます。
 人工呼吸器に繋がれ改造人間になる恐怖と苦悩との戦い!?‥

容赦のない病魔は、次々と身体を蝕んで行き、発病から僅か4年で健常者から
上記のような障害を持つ重度障害者になりました。
しかも、原因不明で、治療法が未確立な難病で、
生涯病気と向き合わなければならない事を知り、絶望のどん底に追い込まれました。

否応なく私を襲った病魔は、私の人生の最大の危機に追い込み、
余りにも大きな衝撃を受け、とてもとても受け入れ難いものでした。
なぜ? 私が10万人分の5人に選ばれ、無理矢理 「奈落の底」 に突き落され、
恐怖と不安にさらされなければならないのかと悩み苦しむ日々が続きました。

 恐怖と苦悩を伝える事が出来ない孤独との戦い!?
 その場の空気を読む事が出来てもリアクションが出来ないもどかしさ、悔しさなど
  失った身体機能は余りにも多くて、筆?舌?で言い尽くし難いのです。

それでも、現実をしっかり受け入れ前向きに生きていこうと次第に考え方が
変わってきたのは奈落期を乗り越えた頃でした。
なぜなら、難病のALSと向き合って本気で生きた証しを残したいと言う確かな
「生きる目標」 を掴んだ事や、何よりも、苦しい時期に病気の事を理解し支援してくれた
人々のお蔭で、憔悴し枯渇した心に青空を取り戻す事が出来たからです。

呼吸障害で入院中に、安全で安心な在宅療養生活が出来るように次のような
環境整備が着々と進められて行きました。
お蔭さまで退院から在宅療養への移行が円滑に行なわれた事に感謝しています。

在宅介護支援ネットワークシステム
(苦しい時期に支えてくれた人々)

医療関係
 入院中
看護師さんから 「看護の仕方」 を指導して頂く
 - 栄養、薬の入れ方
 - 吸引の仕方
 - 緊急時のカニューレ交換の仕方
 - 人工呼吸器の回路の消毒の仕方
特に、担当の看護師さんの熱心な看護に本当に感謝です
人工呼吸器、吸引器、アンビューの調達
特に、担当の看護師さんの熱心な看護に本当に感謝です
人工呼吸器、吸引器、アンビューの調達

 退院後
訪問看護ステーションとの引継ぎ期間:2ヶ月
主治医、看護師長、地域医療連携室の看護師さんによる数多くの
メールでの心強いアフターケアに生きる希望を持つ
神経難病医療専門相談員によるメールや訪問で励まされる
在宅主治医の往診(カニューレ交換)、耳鼻科医の往診
薬(処方箋)を届けてくれる薬局の人
定期入院(内科医、外科医、歯科医、耳鼻科医)
家族が介護から解放されるレスパイトケアをしてくれる人々
人工呼吸器の会社の親切な対応と充実したアフターサービス

福祉関係
在宅介護支援ネットワークシステムの確立
保健師さんの患者を思う熱い心が在宅療養を可能にしました
医療、福祉、介護に関する相談窓口の親切な対応
(特定疾患医療受給者証、身体障害者手帳、要介護度認定、障害年金・・など)
在宅で使用する医療(福祉)機器、機材、環境の整備にご尽力頂いた人々
(住宅改造、吸引器、意思伝達装置、専用車椅子)
保健師さんと歯科衛生士さんの訪問による口腔衛生指導
救急車や電力会社に携わる人々
勤務先の休職制度(3年間)の利用による療養生活に専念
日本ALS協会群馬支部(患者、家族会)からの激励
隣組や友人からの激励

介護関係
ケアマネージャーによる患者の症状と希望に応えるケアプランの作成
訪問看護→看護師さんの手厚い看護に本当に感謝です
 - バイタル→洗髪→陰部洗浄→清拭、更衣→気切部ケア
 - 排泄の処理
 - リハビリテーション→関節可動域(ROM)訓練
訪問介護→外出介助や清拭は本当に助かります
訪問入浴→自宅のベッドの傍で入浴が出来、助かります
日常生活用具レンタルサービス→電動ベッド、車椅子‥

私がALSを患ってから、私と妻はひとつになり、病気と向き合い、共に闘って来ました。
以上のように、医療、福祉、介護の環境に携わる多くの人々との新しい出会いを力に、
触れ合いを励みに、多くのことを学びました。
また、苦しい時期に支えてくれた多くの人々のお蔭で、私や家族に生きる力と
勇気を与えてくれて、奈落の底から這い上がることが出来、心から感謝しております。

更に、妻は毎日のようにALSに関する情報をホームページで調べて理解を深め、
情報を共有する事が出来ました。
 
お蔭さまで妻は主婦役から大変身し、看護役、介護役もこなす行動が
出来るようになりました。

いつも、傍にいてくれる妻がこのような知識を身に付ける事で、介護力、セルフケア能力
が向上し、維持期を安全で安心な在宅療養生活が送れるようになった事に感謝しております。

奈落期(人工呼吸器を装着した日を基準に前後1年間)を乗り越えた春の出来事でした。

別れを惜しみ、新たな出会いやスタートを祝福するかのように満開の桜が咲い
ている春爛漫の季節です。

毎日、同じ天井や壁を眺め、ベッドから背中が離れる事のない 「寝たきり」 の
生活から放れ、満開の桜を見せたいと妻は思っていました。

体重が約48sしかない私をベッドから車椅子に移乗するのに2人でも嫌がる作業を、
なんと1人でやり遂げたのです。
そして、車椅子に人工呼吸器を載せ、近所の工場の敷地にある満開の桜の場所
まで連れて行ってくれたのです。

1本の桜の木には無数の桜色の花ビラが覆い被さって枝を埋め尽くし見えない
ほどに咲き誇っていました。
その1本1本の桜並木が続き 「
桜の林」 となり、私の目の前には 「桜の森」 が
拡がっていました。
威風堂々とした 「
桜の森」 は、弥生の柔らかい陽射しと甘い風を浴びて、
生き生きと輝き眩いほどでした。

なんて、美しい桜!」 今までにはなかった新鮮なものを感じ、
心行くまで見惚れて癒され、元気を貰う事が出来ました。

永年ALSを患い、寝たきりで在宅療養生活を送っていると 「衣・食」 よりも
特に、 「住」 環境の変化が気分転換を計り、 「生き甲斐」 に与える影響が
大きいような気がします。

改めて、失われた身体機能を支えて頂く事の有難さと自分では何一つ出来ない
全介助の身体(要介護5)を、24時間365日熟睡も出来ない介護を続けている妻の
負担の重さ大変さを実感する事が出来ました。

その介護の負担を乗り越え、 「寝かせきりにさせない!」 と言う妻の熱い思いは、
あの奈落期を乗り越えた 「自信」 のようにも見え、頼もしく感じました。

今でも、あの時の桜のように美しく輝いて見えた妻の姿が強烈な印象として残り、
蘇えって来るのです。
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機器のセットのしかた
2月20日

在宅療養生活から入院療養生活へと環境が変わると一日が永く感じ、
環境の変化に適応するのに苦慮しています。

そこで、なるべく日常生活に近いリズムや環境にする事が大切だと考えています。

例えば、パソコンをするのにも、看護師さんに 「ナースコール」 から 「パソコン(伝の心)」
に接続を切り替えてもらい、ベッドの角度や体位の調節など説明をするのにも大変な時間
がかかります。

ですから、つい遠慮してしまい、依頼せずに1日中寝て暮らしてしまうのです。

そこで、生活必需品である 「機器のセットのしかた」 について取り上げ、説明をした上で、
トラブルシューティング(故障診断)に役立てたりして、患者と病院がひとつになり、
入院療養環境の向上に努めたいと考えています。

患者の周辺機器は人夫々によって異なるため分かり難く、医療に携わる人には手術や
治療など医療行為以外の事だからと案外軽視される傾向が見受けられます。

しかし、患者にとっては、失われた身体機能を補う大切なツール(道具)であり、
身体の一部なのです。

ですから、画一的な看護から一歩踏み込んだ個別的な看護に切り替える事によって、
居心地が良くなり、患者のQOLの向上は勿論の事、入院療養環境の向上に繋がるも
のと信じています。

私を担当してくださる看護師さんには、是非、このホームページに目を止めて頂き、
ご協力をして頂けたら本当に助かります。

ピンタッチスイッチの接続のしかた
延長コード(3口以上)のプラグをコンセントに差します
ピンタッチスイッチの電源を延長コードに差します
額にアルミ箔をL字形にしテープで貼ります
ピンタッチスイッチ(センサー部)を額に皺を寄せてアルミ箔に当たるようにテープで止めます
(間隔は微妙で操作性に大きな影響を与えます)
ピンタッチスイッチ(出力部 ラベルAの線)をコミュニケーションツール
(ラベルBの線)に接続します

<ご注意>
意思通りに動く部位(額)にピンタッチスイッチを設置する
リード線の先端部は被覆より裸線が出ているようにする
アルミ箔は8枚重ね以上とする
テープの幅、長さ、本数、粘着力は一定の品質に保つ
ピンタッチスイッチの感度調節つまみの位置は1/2にする
ピンタッチスイッチと「機器」の接続は確実に
一度剥がしたテープを再び使用しない。毎日貼りかえる
セット後や体位交換をした場合には必ず動作を確認する

コミュニケーションツールへの接続のしかた
ラベルAの線とラベルBの線を接続するだけの簡単な操作です。
パソコン(伝の心)
パソコン(伝の心)の電源を延長コードに差します
パソコン(伝の心)の操作線(ジャック)にピンタッチスイッチ
(出力部)を接続します
パソコン(伝の心)の電源ボタンを押してONにします
<ご注意>
 ベッドの角度や体位の調節、パソコンの位置など確認をして、
 パソコンの操作がし易いようにセットしてください。

呼び出しブザー
呼び出しブザーの接続部(ジャック)にピンタッチスイッチ(出力部)を接続します

外出時
「電極スイッチ」を額にテープで貼り付けます
(額に皺を寄せて呼び出しブザーを鳴らす仕組みです)
呼び出しブザーの接続部(ジャック)に電極スイッチのプラグを接続します
(単三乾電池2本ですので外出するのにも便利です)

呼び出しチャイム
呼び出しチャイムのリモコンスイッチ(単四乾電池1本)の接続部
(ジャック)にピンタッチスイッチ(出力部)を接続します
呼び出しチャイム(単三乾電池3本)のスイッチをONにし、受信範囲以内に置きます
(呼び出しリモコンは音が大きいので入院時のナースコール用として使用しています)

低圧持続吸引器(唾液の処理)
低圧持続吸引器(固定型)とペットボトル2本と排唾管をビニールホースで接続します
低圧持続吸引器の電源プラグを延長コードに差します
(車椅子に移乗する場合は、固定型から携帯型に替えます)
排唾管を適当な角度に曲げて、口にくわえます
頭が傾いている方向と同じ口の端に排唾管を挿入します。
この時あまり奥まで差し込むと吸引が低下しますので、患者に確認してください

<ご注意>
あくびやクシャミ等で排唾管が口から外れる事があります。
このような場合には、ビニールホースをクリップで止めると効果があります。
ペットボトルに唾液が溜まった場合、スペアに替えてから唾液をトイレに捨て、
水洗いして再使用(リユース)します。
排唾管は毎日、ビニールホースは1週間ごとにお湯で洗浄してリユースします。

車椅子への移乗のしかた
ベッドの高さを車椅子の高さよりやや高めにし、ベッドを平らにします
車椅子の前方から人工呼吸器を載せ、外部バッテリーを接続します
低圧持続吸引器を固定型から携帯型(単一乾電池2本)に替え、
スイッチをONにしてから、車椅子に載せます
ベッドに車椅子を近づけ、ブレーキを掛け、リクライニングを平らにし、
アームレストを下げます
額に貼り付けたスイッチ、排唾管、回路を取り外します
バスタオルごと、頭と足を持って一旦ベッドの端に移動し、
それから、車椅子に移乗します
ブレーキを解除し、ベッドから車椅子を離し、リクライニング起こし、
アームレストを上げます
回路、排唾管を取り付けます
【電極スイッチ】を額にテープで貼り付けます
呼び出しブザーの接続部(ジャック)に電極スイッチのプラグを接続し、
車椅子に吊り下げます
靴下、リハビリシューズを履かせます
吸引器一式、文字盤、ティシュを持って、いざ!出発です

人工呼吸器(Achieva)の管理
人工呼吸器の電源プラグをコンセントに差し込みます
人工呼吸器の操作扉を開け、スタートエンターボタンを押してから、
換気開始ボタンを押します
※停電の場合は、自動的に内部バッテリーに切り替わり運転を継続します

<ご注意>
人工鼻は隔日に交換します
回路は2週間ごとに交換(使い捨て)します
換気量:550ml/回、吸気時間:1.7秒/回、呼吸回数:15回/分
カニューレは1週間ごとに交換します(カフ量16t)
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入院時の準備物品
1月20日

入院時の準備物品は、病院の 「入院のご案内 」を良く読んで、それに従う事が大切です。
施  設 療養型 A 療養型 B
療養目的
入院時期
入退院送迎
内、外、口腔、耳鼻科
4、10月(約8日)
有(復のみ)
レスパイト
1、7月(約10日)
 有(往復)
入院受付 特定疾患医療受給者証
国民健康保険証、
診察カード、
紹介状、サマリー
同  左
着替え
(清拭)
パジャマ、パンツ、
バスタオル、タオル(隔日)
同  左
(毎日)
陰部洗浄 パジャマ、パンツ、
バスタオル、タオル(隔日)
同  左
排泄(便)
(月、金)
紙おむつ、ティシュ、
紙おむつ(30cm×72cm)
新聞紙、ポリ袋
ラキソベロン、浣腸
同  左
入 浴 −(無し) シャンプー、リンス、
ソープ、タオル、着替
洗面器、ポリ袋、耳栓
カニューレバンド
髭剃り −(無し) シェーバー
充電器
口腔ケア 病院独自 歯ブラシ、軟毛ブラシ
マグカップ、開口器、
ネオステリングリーン
唾液処理 低圧持続吸引器固定型一式、
排唾管
同  左
呼吸障害 人工呼吸器一式、置台
吸引器一式
人工呼吸器一式、置台
ナースコール 延長コード、ピンタッチスイッチ、
呼び出しチャイム
−(有り)
意思疎通 文字盤、伝の心 文字盤、伝の心、延長コード、
ピンタッチスイッチ
移動、散歩 車椅子、靴下、テープ
低圧持続吸引器携帯型
呼び出しブザー、
リハビリシューズ
同  左
(散歩有り)
処方箋 栄養(ハーモニック) 栄養(ハーモニック)
マグカップ
その他 乾電池予備(単1,3,4)
タイムチャート、文字盤の使い方、
ラジオ、時計、ゴムシート
同  左

ALS患者が入退院のため、安全に移動するには、医師や看護師など専門の
知識を持った、複数の人の付き添いが必要になります。

このため、救急車や病院の送迎サービスを利用したり、自宅の福祉車両で
移動する場合などでは 「入院時の準備物品」 が異なるので注意が必要です。

また、荷物が多いので、ヘルパーさんの外出介助が必要な場合がありますので、
早めの計画と準備が必要です。

<参考>
◆近況報告    
☆2006年3月20日 (定期入院について)
☆2006年6月23日 (レスパイトサービス)

◆入院時の準備物品
<ご注意>
 ※表中の 「準備物品」 の全てを入院先から要求があった訳ではありません。
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