専用車椅子で福祉車両への移乗
12月21日

今回は「専用車椅子で福祉車両への移乗のしかた」をご紹介致します。
福祉車両の購入を検討されている方や安全で安心な外出・通院が出来るための
参考になれば幸いです。

<ご注意>
この内容は、ホームページをご覧頂いている方からのご質問の回答です。

福祉車両(VOXY)のエンジンをスタートしてから、
 「スロープ」 のスイッチをONにします(写真1)


ハッチバックを開けます(写真2)


リモコンの「開▼」を押して、スロープを開きます(写真3)


専用車椅子に逆走防止ベルトを取り付けます(写真4)


手をアームレストより内側に置いてから、専用車椅子を押して福祉車両へ移乗し、
 ブレーキを掛けます(写真5)


専用車椅子にロックワイヤーを掛けます(写真6)


車両後部にある「ロック」ボタンを押します(写真7)
 専用車椅子が福祉車両の床に確実に固定されます


専用車椅子に安全ベルトを掛けます(写真8)


人工呼吸器の電源プラグを平行コンセント(AC 100V 3A)に差し込みます
 別装品(写真9)


※人工呼吸器の外部バッテリーの充電の具合によっては20時間程度は
維持が出来ます

リモコンの「閉▲」を押して、スロープを閉じます

ハッチバックを閉じます

<ご注意>
乗車人数は、専用車椅子+3人ですので、家族構成を考慮して
福祉車両を選ぶ事が大切です。(自動車税、自動車所得税の減免)
運転席の後部座席は、介護者が患者を看られるように、回転式椅子になっています。
人工呼吸器が搭載出来る「専用車椅子」は大きいだけに、
スロープ式はリフト式に比較すると、乗り降りがとても安全です。
「ベッドから専用車椅子への移乗のしかた」や「専用車椅子からベッドへの移乗のしかた」
は、 「近況報告」 の☆2006年7月26日(楽しみな散歩の日)を参照してください
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群馬県支部 東毛地区交流会
12月20日

【平成19年度 日本ALS協会 群馬県支部 東毛地区交流会】 
が、次のような要領で開催されました。

 と き  2007年12月15日(土) 午後13時半〜16時
 ところ  太田市社会教育総合センター(2F 第2講座室)
 テーマ  平成19年度 群馬県支部 東毛地区交流会

 出席者 支部役員3名、保健福祉事務所2名、患者3名、家族4名、
        ケアマネージャー1名、ヘルパー1名

東毛地区交流会での出会いは、地域に根差した医療、福祉、介護などの情報を
得る事が出来る絶好の機会であり、また、患者やご家族との交流会を通じて、
希望と生きる力を貰う事が出来、不安が解消される事を期待して出席しました。

今回は、新たな患者さんが参加したり、気管切開手術を行ない、人工呼吸器を
装着したご家族、ALS患者に最適なケアプランを提案したいケアマネージャーなど、
不安や悩みを抱えている人々が時間の許すまで話し合い交流を深めました。

そして、ALSと向き合い、一緒になって闘うことを誓いました。

ALS患者やご家族には、苦しい時期に支えてくれる多くの人々が絶対に必要です!

過日、難病患者にとって明るいニュースが飛び込んで来ました。
京都大学で、皮膚から「神経・骨・筋肉」を再生することが出来る「万能細胞」
を開発したと言うのです。

これには、文部科学省も22億円の予算を計上し、実用化に向けた支援を行うほど
の力の入れようです。

ですから、命の限り希望を持ち続け、ALSと向き合いましょう。
「生きる道を選んで本当によかった!」 と言える時代が目の前に迫っているのです。

私は、ヘルパーさんの外出介助 【障害者自立支援法(障害福祉サービス契約)】
を利用して、東毛地区交流会に出席する事が出来ました。

お蔭さまで、元気と生きる力を貰う事が出来た、とても有意義な交流会でした。
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社会資源の活用とその内容
11月20日

ALS療養者が長期在宅療養生活の向上を図るには、家族の介護力、経済力、病状、
生き方、社会資源のサービス内容・質や満足度などを考慮して、ケアプラン
に反映させる事が大切です。

私がこれまでにお世話になった訪問看護・訪問介護・訪問入浴のサービス内容比較を
下表にまとめて見ました。
実際のご利用に当っての詳細は、最寄りのケアマネージャーにご相談下さい。

「人に教える事は己を知る事」 残念ながら、今の私には下記のような受け身の
情報しか持ち合わせておりません。
日本は経済発展を機軸にし、福祉社会や住みやすい国づくりを目指していますから、
重度障害者でも 「人間らしく幸せな暮らし」 を支援して頂ける制度が沢山あると
信じています。

それ故に、孤立してしまい、介護破綻を招き、新聞紙上を賑わす事態だけは
絶対に避けなければならないと考えております。

そのためには、寝たきりに甘える事無く、闘病生活の永遠のテーマである次の
課題に取り組み、 「長期在宅療養生活環境の向上」 を自ら切り拓いて行く必要が
あると考えています。

 家族の24時間介護の負担の軽減
 病気の進行状況や環境の変化に合わせ、QOLの向上を図る

もう一度原点に戻り、役場(福祉課)から頂戴した「資料」を良く勉強し、
再び同じテーマでより充実した内容で且つ、ALS療養者や家族が知りたい
情報を提供する事が出来たらと考えています。

<参考>
◆近況報告    
☆2006年4月25日 (玄関のスロープ)
☆2006年6月6日 (口腔内のケア)
☆2006年7月26日 (楽しみな散歩の日)
☆2006年9月20日 (ALS患者の衣食住)
☆2006年10月20日 (排泄の問題)
☆2007年3月20日 (訪問入浴サービス)
☆2007年4月20日 (リハビリテーション)
☆2007年10月26日 (在宅療養生活の費用)


訪問看護 VS 訪問介護 VS 訪問入浴 内容比較
[筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の長期在宅療養の視点]
項 目 訪問看護 訪問介護 訪問入浴
適用保険
所要時間
所要人員
医療保険
1.5時間
1名
介護保険
1時間
1名
介護保険
1時間
※3名
費  用
自己負担
11,980円
@ 0円
4,020円
A 1割
12,500円
B 1割
着替え
清 拭
陰部洗浄
洗 髪
顔拭き










◎(入浴)


バイタル
タンの吸引
気切部ケア
カフ量確認
呼吸器管理




×
×
×
×
×




外出介助
家事援助
排泄介助
車椅子扱い
車両へ移乗
留守番
×
×


×





×
×
×
×
×
×
○(条件付)
ROM訓練
爪切り



×
×
意思疎通
文字盤
コミュニケーションの問題は最も大切です。
関与期間が長くなるにつれて解消されます。

意思疎通
文字盤 コミュニケーションの問題は最も大切です。
関与期間が長くなるにつれて解消されます。

2007年10月5日現在  看護師(1名)ヘルパー(2名)

「人工呼吸器を装着したALS療養者の訪問看護ガイドライン」 に基づく、
 最適な医療、介護保険制度の利用による長期在宅療養生活の向上を図る
 事が大切です。

ヘルパーさんの外出介助(長時間の場合)
 障害者自立支援法(障害福祉サービス契約)を利用しています。

ヘルパーさんの吸引の指導
 重度障害者に理解あるヘルパーさんの育成、指導をする。
 入院から在宅療養生活に移行の際に吸引の指導を義務化する。
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在宅療養生活の費用
10月26日

今回の内容は、ホームページをご覧頂いている方からのご質問の回答です。

ALSは進行性の神経難病です。患者は何時か必ず、人工呼吸器を装着するか否か、
つまり、 「生か死」 の過酷な命の選択を迫られるのです。

余命何ヶ月と告げられる病気よりは、生きる道を選べる病気と言う点は良いのですが、
24時間、365日の介護の負担や経済的負担を考えると思い留まる人が多いと聞いています。

しかし、私は生きる道を選びました。
そして、今、「生きる道を選んで本当によかった! 命の限り希望を!」 
と思っています。

社会資源の活用などで、ALS患者や家族を取り巻く在宅療養生活の環境は
日々向上しているからです。

医療、介護、福祉の面から大きなご支援を頂き、本当に感謝です。

人工呼吸器を装着し、生きる道を選んだ人間として 「在宅療養生活の費用」 と
言うテーマで報告する責任が有ると思い取り上げました。

どうか、下記のデータをじっくりご検討をして頂き、是非、生きる道を選んで
頂きたいとお願いする次第です。

そして、失ったからこそ見えて来る、家族の温もりや素晴らしさを実感して
頂きたいのです。

また、ALSが難病(原因不明で、治療法が未確立)でなくなる時代が必ず
やって来る事を信じ、一緒になって闘いましょう!  

◆毎月の費用(条件:妻の24時間介護付き)    2007年9月分
区  分 摘  要 備  考
収入の部 特別障害者手当
26,440円 保健福祉事務所3 ヶ月毎に振込
医療保険 医師往診車代 2,000円 500円/回×4回
介護保険 訪問入浴
訪問介護
訪問介護
7,500円
4,500円
1,608円
1,250円/回×6回
2.5時間×6回
402円/時間×4回
日常生活用具
借用代
1割負担)
ベッド
サイドテーブル  
2,163円
420円
■支出合計 18,191円 消耗品の購入は含まず

◆医療・介護の消耗品(発生都度購入)
区  分 摘  要 備  考
医療消耗品
約1.5月分
約1.5月分
約1年分

約1ヶ月分
約1年分
約1年分
カテーテル
PVCグローブ
カ、バンド

栄養袋
フィルター
排唾管
3,000円
500円
4,200円


524円
5,775円
1,260円
50本入、吸引用
50組入(S.M)
10本入、入浴後交換用


5個入、吸引器用
10本入、唾液処理用
介護消耗品
約3ヶ月分
約2ヶ月分

約0.5月分
紙おむつ    
濡れティッシュ
          
紙おむつ(30cm×72cm)
3,980円
500円

900円
30枚入、排泄(便)
60枚入

30枚入、洗髪、陰部洗
栄養補給
1ヶ月分 ジュース類   4,500円 ヤクルト配達

◆医療・介護の消耗品(継続的供給自己負担ゼロ)
区  分  摘  要 備  考
医療消耗品 Yガーゼ、特製綿棒、ヒビディール液、容器

オスバン液5%濃度
カット綿、イソプロ70%液

人工鼻、回路セット
ハーモニック(栄養)
気切部ケア

カテーテルの消毒   
カット綿の消毒

人工呼吸器(Achieva)
処方箋
介護消耗品 申請していません

◆筋萎縮性側索硬化症(ALS)は特定疾患です〜
 特定疾患医療受給者証の申請手続きをすると、医療保険制度の利用
(入院・処方箋、訪問看護)は自己負担がゼロとなります。

◆在宅で使用する医療(福祉)機器、機材、環境の整備
区  分 摘  要 備  考
医療機器 人工呼吸器(Achieva) 自己負担0円 人工鼻、回路一式付
◇吸引器
パワーミニック VL80      
バキュエイド  7305P-N   

72,775円

73,500円
新鋭工業梶@
◎公費一部支援有  
エア、ウォーター
◇アンビュー 37,800円
◇低圧持続吸引器
キャプ&ホース
固定型
携帯型

420円

5,250円
5,250円
唾液処理用
◇開口器 25,000円 唾液処理用
福祉機器 ◇意思伝達装置
パソコン(伝の心)
ジェリービーンSW 
スペックスイッチ
ピンタッチスイッチ
スイッチマン
呼び出しチャイム
合計41,720円 音声言3級、四肢1級
日立製
親指で操作

額の皺で操作
◇専用車椅子 5,775円 公費一部支援有
◇福祉車両(VOXY) 3,000,000円 人工呼吸器搭載可
公費一部支援有
自動車税の減免
環境の整備 ◇住宅改造 179,100円 バリアフリー仕様
公費一部支援有
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7年半ぶりの帰省
9月25日

2000年2月、妹の3回忌の法要以来実に7年半ぶりの帰省です。
法要の帰途、鬼首温泉スキー場に立ち寄りスキーを楽しみました。
1日中滑っても殆んど転倒しない腕前なのに、その日はなぜか転倒し易く且つ
起き上がり難いのです。

そのとき、明らかに体調に異変を感じたものの、まさか、難病のALSを患い、
車椅子で人工呼吸器を装着した変わり果てた姿で再び帰省するとは、
誰が想像する事が出来たでしょうか?

私の故郷は、 「秋の宮温泉郷」 と称し、12軒ほどの温泉旅館があり、都会の
喧騒から逃れ、ゆったりとした時間が流れ、訪れる人々の心まで温め癒してくれます。
また、雄物川の支流である役内川が流れ、川岸には温泉が湧出する場所が多くあります。

更に、虎毛山がどっしりとした山容で村全体を見守る自然豊かな寒村です。

今回の帰郷の目的は、両親のお墓参りと長女の夫に故郷を紹介する旅でした。
母は1975年(享年57歳)、父は1993年(享年83歳)でこの世を去りました。兄夫婦が
お墓を移動して建て直した事もあって、お墓参りをしたいと常に思い続けていました。

妻や長女夫婦の介助がない限り実現しない旅だけに、早期から会う度に説得を
続けて来ました。
その甲斐があり、実現の運びと成りましたが、途中のトラブルは全力を尽くすだけ
と覚悟を決めた旅です。

実家はバリアフリーになっていないので、インターネットで調べ、障害者を受け
入れてくれる設備の整った 「秋の宮山荘」 に泊まる事にしました。

<行程>
自宅←R354→館林IC←東北道→古川IC←R47→鳴子←R108→実家
    12q      328q         28q    37q
 9/22 (8:30発-15:00着)   ⇔   9/23 (13:50発-20:40着)

兄夫婦は私の病気を良く理解しているだけに、私が帰省した事に驚きを隠せない
様子でしたが、2年ぶりの再会を喜び合いました。

早速、お墓参りをし、先祖に 「近況報告」 をしました。
07/09/22 墓前にて  

夢が叶えられて晴れやかな気持ちになりました。
しかし、妹のお墓参りが気になりましたが、車椅子では行く事が出来ない場所にあるため、
ここで、妹の分もお参りをする事にしました。

それから、部落内を一周し、懐かしい場所、新しい建物や消えた建物、
拡幅整備された道路網などを心行くまで見て、目に焼き付けて来ました。
故郷の秋は深まり、黄金色の稲穂が頭を垂れ収穫を待つばかりに成長していました。
それを祝うかのようにススキや萩が花を添えて、秋風になびいていました。

その日の夜は、お姉さんが近所に住む兄弟に声を掛けて、ホテルの一室を借り切り
「夕食会」 が行なわれました。
予期せぬ歓迎だっただけに、長女の夫はとても感動していましたが、
聞き慣れない秋田弁を理解するのには苦労している様子でした。

今回は、 「忘れえぬ挑戦の旅」 となった事は間違いありません。
故郷から生きる元気を貰い、思い切ってバリアフリー社会に飛び込み、
トラブルもなく、その恩恵を享受する事が出来ました。
07/09/23 秋の宮山荘にて

また、「計画する喜び、実行する喜び、終わった後の喜び」 と三拍子が揃い、
更に、家族や親戚の絆を深めた素敵な旅♪〜でした。

ALSは身体を動かすための神経系が変性していく病気です。
運動神経のみが侵され、感覚神経や自律神経などは侵されることはありません。
改めて、失われた身体機能を支えて頂く事の有難さと介護の負担の重さ大変さを
実感する事が出来ました。
その介護の負担を乗り越え、夢を実現してくれた家族に心から感謝申し上げます。

乾杯!

<外泊時の準備物品>
外出(外泊)する度ごとに改善し、安全で安心な外出(外泊)を楽しみたいと考えています。
福祉車両(人工呼吸器の電源 AC100V.3A付、VOXY-スロープ式)、 専用車椅子、
呼び出しブザー、人工呼吸器、外部バッテリー、 吸引器、カテーテル(4本)、
ペットボトル(2本オスバン液)、ピンセット(2本)、消毒綿、低圧吸引器一式(唾液処理用)、
単1乾電池(2本、予備用)
 
靴下、リハビリシューズ、アンビュー、尿器、文字盤、タオル、ティッシュペーパー、ゴミ袋、

延長コード、ピンタッチスイッチ、カフ用ピストン、低圧吸引器(固定式)、カメラ、テープ

栄養(ハーモニック)、お茶2g、アクエリアス2g、お水2g、栄養袋、浣腸器、
マグカップ、S形フック、

パジャマ、パンツ、帽子、膝掛け、バスタオル、特定疾患医療受給者証、
国民健康保険証、身体障害者手帳
など
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ケアプラン
8月20日

地球温暖化の警鐘なのでしょうか?連日の猛暑日で最高気温も74年ぶりに更新されました。
1933年    (40.8℃ 山形)
2007年8月16日(40.9℃ 熊谷、多治見)
この日、隣町の館林市でも40.3℃(前日は40.2℃)を記録しました。

今年の夏は、寝たきりの人や体温調節が難しい赤ちゃんやお年寄りにとってはとても
辛い夏になりそうです。
そこで、我が家の暑さ対策をご紹介致します。
「NHKニュース おはよう日本 まちかど情報室」 で涼グッズの紹介があり、
早速、妻がネットショッピングをしてくれました。

■ケンコーコム :0120-225566  http://www.kenko.com
 スペース涼シートすやすや シングル 9,800円(送料無料)

お蔭さまで、背中がさらさらした感じで、いつもはこの時期に脇の下にあせもが
出来ていましたが、今の所あせもは出来ていません。
本当に感謝です。

さて、標題の 「ケアプラン」 に話題を移します。
難病のALS患者の在宅療養生活を可能にした 「ケアプラン」 に基づく、
多くの温かいご支援に心から感謝申し上げます。

ところで、この所の暑さで「年間固定型」ケアプランは通用しないような気がします。
そこで、下記のような「季節対応型」、介護をする側もされる側もQOLの向上を図る事
や自分の 「生き方」 などを反映した 「ケアプラン」 を考え、ケアマネージャーに
提案をしているところです。

私は、入院(施設)療養、在宅療養のいずれも選ぶ事が出来る環境にあり、
とても安心です。
妻が健康である限り、妻や周囲のご支援にお世話になりながら、
在宅療養を続けたいと考えています。
ですから、介護の疲れから来る 「めまい」 を持っている妻の健康状態が
いつも気掛かりです。

原因不明で、治療法が未確立な病と闘っているALS患者の生きる希望は、
家族の愛や周囲のご支援に 「感謝出来る自分」  に気が付いたときです。
しかし、ご支援に頼るだけでなく、今の自分に何ができるかを考えたとき、
自分の病気の体験を伝える事が私に課せられた使命と気がつき、ホームページを
開設しました。

お蔭さまで、この2年間はとても充実した日々を送る事が出来ました。
そろそろ、ホームページの更新のためのネタが少なくなって来ました。
これからは、ネタ探しと気分転換を兼ね、積極的に外出し、悔いのない療養生活を
送りたいと考えています。

このような、選択肢しかない 「生き方」 をサポートしてくれる 「ケアプラン」 を
作成して頂きたいと切望しているところです。

1.在宅療養 週間ケアプラン(2007年8月20日現在)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ●ケアマネージャーと相談の上決めたプランです
 ○家族の24時間介護の負担の軽減
 ○病気の進行状況や環境の変化に合わせ、QOLの向上を図る
月曜日 A訪問入浴(13:00-14:00) Bマッサージ(9:30-10:00)
火曜日 C医師往診(11:50-12:00)  カニューレ交換
D訪問介護(10:00-11:00) (雨:清拭)(晴:散歩)
水曜日 E訪問看護(09:30-12:00) 散歩、洗髪、清拭
木曜日 F訪問看護(09:30-10:30) リハビリテーション
金曜日 A訪問入浴(13:00-14:00)
土曜日 E訪問看護(13:00-15:30) (第1と3土曜日)散歩、清拭

  ○水曜日と第1・3土曜日の2時間30分は妻の外出日です
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

2.在宅療養 年間ケアプラン(案)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●ケアマネージャーと交渉中のプランです

月/週
1月 A.B C.D E F A E
レスパイトケア(10日間)、MK病院
2月 A.B C D F A
3月 A.B C.D E F A E
4月 A.B C.D E F A E
定期入院(8日間)、TK病院
5月 A.B C.D E F A E
6月 A.B C.D E F A E
7月 A.B C.D E F A E
レスパイトケア(10日間)、MK病院
8月 A.B C D F A
9月 A.B C.D E F A E
10月 A.B C.D E F A E
定期入院(8日間)、TK病院
11月 A.B C.D E F A E
12月 A.B C.D E F A E

<ご注意>
表中のアルファベットは 「在宅療養 週間ケアプラン」 に対応しています。
散歩の日は、患者、看護師(1名)、ヘルパー(1名)の健康と安全を確保するために、
よりきめ細かいケアプランで対応する。
(夏期は熱中症、冬期は風邪の予防のためそれぞれ休暇を取る)
定期入院の目的は、胃ろう交換、歯科検診、耳検診、妻の介護休暇です。
レスパイトケアの目的は、24時間介護を続けている妻への恩返しの積もりの
「介護休暇」です。
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日本ALS協会 群馬支部総会
7月20日

【平成19年度 日本ALS協会 群馬支部総会】
が、次のような要領で盛大に開催されました。
 
総会での出会いは私の人生の宝物です。医療、福祉、介護などに携わる多くの
人々に支えられ、触れ合う度に不安が解消され希望と生きる力を与えて下さるからです。

 と き  2007年6月16日(午後13時半〜16時)
 ところ  群馬県社会福祉総合センター(新前橋)
 テーマ  平成19年度 日本ALS協会 群馬支部総会

 第1部
平成18年度 活動報告、会計報告 (原案を承認)
平成19年度 事業計画、予算案   (原案を承認)

 第2部 講演
ALS治療薬開発の現況
 群馬大学医学部大学院医学系研究科 脳神経内科学教授 岡本幸市先生
新薬の開発は8段階(ステップ)あり、少なくても10年以上はかかるそうです。
  色々と挑戦していますが、今のところ特効薬の開発には至っていない様子でした。
ALSとNPPV療法
 こやぎ内科 臨床工学 呼吸療法認定士 阿部博樹先生
非侵襲的な呼吸療法の長所と短所が理解できました。

ヘルパーさんの外出介助(障害福祉サービス契約)で総会に出席する事が出来ました。

お蔭さまで、元気と生きる力を貰う事が出来た、とても有意義な群馬支部総会でした。

「障害福祉サービス契約」 の申請は町役場の福祉課では初めてのケースです。
それでも、総会に間に合うように、事務手続きをして頂き、本当に感謝しております。

交流会の写真
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看護学生に体験談を発表
6月12日

在宅療養生活を支えてくれる 「訪問看護ステーション」 のご依頼で、
次のような要領で、白衣の天使を目指す看護学生に 「体験談」 を発表しました。

私の病気の体験が看護学生の将来に少しでもお役に立てば幸いと思いお引き受
けした次第です。

  と き  2007年6月12日(10時50分〜12時30分)
  ところ  Hi看護専門学校 2年生(約60名)
  テーマ  在宅看護論 対象論
  講 師  G看護師+(私と妻)

 G看護師の講演内容
 難病のALS患者の在宅療養生活を可能にした体験を訪問看護ステーション
 の視点で詳細に報告されました。

安全で安心な在宅療養生活が出来るように、医療、福祉、介護の支援体制
  (在宅介護支援ネットワーク)を確立する事が最も大切です。

訪問看護ステーションとして、患者の病状の進行を見ながら、最適な
  ケアプラン(訪問看護、訪問介護、訪問入浴、リハビリテーション)を
  提示する事が大切です。

早期に患者と関わり、コミュニケーション障害を乗り越えなければならない。
 意志伝達装置の申請は身体障害者手帳に、音声言語障害3級、四肢1級が
 記載されている事が条件では間に合わない。

 配布資料内容(A4サイズ,1枚)
ALSとはどんな病気?
 身体を動かすための神経系が変性していく病気です。
 その結果、足や手が全く動かず、また、口から食べる事も、
 自力で呼吸する事も出来なくなる難病(特定疾患)です。
 その上声を失い会話をする事も出来なくなります。

ホームページ開設(2006年3月1日)の掲載項目
       http://www.geocities.jp/namiyokko68/home/

 体験談の発表内容(約12分)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の主な症状と対応をご紹介致します。
 (運動機能障害、コミュニケーション障害、嚥下障害、呼吸障害)

「コミュニケーション障害」 を乗り越えて、病気の体験を発信し続け
 る事が私に課せられた使命ではないのかと考えています。

最後に、看護師を目指している皆さんにお願いがあります。
 それは、患者に対する 「思いやりの心」 を大切にして頂きたいのです。
 具体的には 「他にありませんか?」 と患者の要求を聞き出し、それに、
 しっかりと応えてやる努力をして欲しいのです。

<ご注意>
 発表方法は、伝の心の「全文読上げ」機能をマイクで拡声する。
 読み方の異なる部分は片仮名で、間の取り方は句読点で調節する
 プロジェクターでパソコンの画面をスクリーンに映す。

 感想
ALSは稀少な病気だけに、私の姿に見入ったり、体験談に熱心に耳を傾けて頂き、
感謝しております。
音声が聞き取りにくい部分があり、お詫び致します。
是非、ホームページをご覧頂き、ALSの理解を深めて頂ければ幸いです。
また、感想文を書いて下さるとの事、楽しみにしています。

向学心に燃える看護学生のエネルギーに触れ、沢山の元気を頂戴する事が出来ました。
本当にありがとうございました。

<追伸>
 2007年06月14日に訪問看護ステーションのG看護師さんが感想文を
 届けてくれました。

   先生からのお礼状 + 看護学生の感想文(54名分)

早速、妻に読んで貰いました。読み終わるのに2時間を要しましたが、
とても、幸せな気分になり、生きていて本当によかったと思いました。

難病のALSを患い、闘病生活や介護の負担に対する温かい応援の言葉や
励ましの言葉を多数頂きました。

また、病気に対する理解(勉強)を深め患者のために尽くしたいと言った
看護師を目指す決意が込められた感想文が殆んどでした。

私の思いを受け止めてくれた看護学生に感謝すると共に頼もしい味方
(理解者)が増えたような気分になり、私達患者や家族にとっては、
希望を持って生きる事が出来る感想文でした。

看護学生のこれからのご活躍に期待しています。頑張りましょう!
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在宅療養中のトラブル .4
5月20日

私が 「肺炎」 から無事に生還出来たのは、医師と看護師の情熱が勝ち取った
「命」 であり、 「勝利」 でした。
「本当に助かった! 助けて頂いた!」 と言う感謝の気持ちでいっぱいです。

病気の我慢は禁物。早期に医師に相談をするに尽きると改めて感じた次第です。
以下に経過を簡単にまとめて見ました。

 経過
05月02日 早朝、体調に異変を感じる。体温38.2℃
タンや尿の頻度が激減する。寝て回復を待つ
05月04日 早朝、下痢、黄疸、体温37.8℃、spo2 90前後に激減、
タンは黄色、尿は赤褐色、元気がなく我慢の限界

在宅主治医往診(朝5時前)→入院手続き
   ↓
救急車出動依頼
   ↓
救急外来→胸部レントゲン検査、人工呼吸器確認、
血液検査(CRP C反応性タンパク:17)
   ↓
主治医病名特定(肺炎)
   ↓
治療計画→入院治療開始
人工呼吸器設定値変更(酸素、ネプライザー付き)
換気量 650→550ml/回、吸気時間 1→1.7秒/回
05月05日 腹部エコー検査
05月07日 血液検査(CRP C反応性タンパク:19)
弱い抗生剤から強い抗生剤に切り替える
05月11日 血液検査(CRP C反応性タンパク:0.28) 主治医より退院許可がでる
05月14日 人工呼吸器設定値変更(在宅用)
換気量 650→550ml/回、吸気時間 1→1.7秒/回
退院の日、訪問看護ステーションや人工呼吸器を取り扱っている
(株)マルホンには多大なご支援を賜わり、本当にありがとうございました。
<ご注意>
 CRPの数値はデータを見せて頂いた訳でなく、正確ではありません。

 肺炎を予防するために日常心掛けていること
口腔内ケア
毎朝1回妻が口腔ケアをしてくれます
開口訓練→マッサージ→歯ブラシでブラッシング→洗浄
2ヶ月ごとに歯科衛生士さんによる「口腔内衛生指導」
6ヶ月ごとに歯科医による検診

気切部ケア
カニューレは医師が1週間ごとに交換します(カフ量16t)
カニューレやカフ量の交換後は、必ず、吸引します
Yガーゼは切開部をヒビディール液で消毒して、毎日交換します

吸引のしかた
素晴らしい医師のホームページに出会い、それを参考にして、
 身体に負担のない痰の吸引を行なっています

ホームページアドレス(山本の主張)
http://www3.coara.or.jp/~makoty/column/050809column.htm
<ご注意>
 カテーテルを12p(口は5p、鼻は1p)以上奥に挿入しないでください

カテーテル、オスバン液、精製水は毎日交換します

人工呼吸器(Achieva)の管理
人工鼻は隔日に交換します
回路交換は2週間ごとに交換します
 センサー部は消毒綿で拭きます
 蛇腹はオスバン液5%濃度で10分間浸します
 フィルター、人工鼻、蛇腹を交換し、確実に接続します

<ご注意>
 2007年05月14日より、回路交換は2週間ごとの使い捨てとなりました
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統一地方選 後半戦
4月22日

ALSを患い、身体障害者手帳に 「音声言語障害3級、四肢体幹1級」 が
記載されている状態になってから、選挙から遠ざかっていました。
しかし、今回の町議会議員選挙に、私の友人が新人として立候補する事になったのです。
そして、定員16人に対し19人の立候補者の選挙戦が始まったのです。

新人立候補者の選挙は苦戦が予想されました。
それだけに、少しでも力になりたいと思いました。

なぜなら、現役時代の尊敬出来る先輩の人柄として、次のような期待に
十分に応えてくれると信じているからです。

地元出身で、郷土を愛する心が大きく膨らんだこと
リーダーシップがあり、人柄が信頼出来ること
しがらみがなく、実行力が発揮し易いこと
政策に期待が持てること

今の自分に何が出来るかを考えたとき、清き一票に願いを託す
選挙権を行使する事でした。

そこで、妻が役場に問い合わせをしてくれました。
「文字を書く事も会話をする事も出来ない人の投票方法は?」 と質問したら
「立候補者名簿一覧表を順次指差して行くので、該当者のところで意思表示
(瞬きやブザー音)をすれば代筆投票が出来る」 との回答でした。

それで、平成19年4月21日(土曜日)は、看護師さんとヘルパーさんが訪問
する日でしたので 「期日前投票所」 に連れて行ってもらいました。
プライバシーの保護に配慮しながら、とても親切に応待して頂き、
無事に投票をする事が出来ました。
お蔭さまで、社会の一員としての責任を果たし、とても、清々しい気持ちになりました。
後は、明日の開票結果を待つのみです。

投開票日の夜9時から群馬テレビに釘付けになり、経過を見守りました。
開票結果は深夜に及びました。

その間、身近な選挙だけに緊張は高まるばかりでした。
ましてや、結果を待つ立候補者の心境はいかばかりかと察します。

いよいよ開票終了の結果が得票の高い順に発表されました。
その中に、(当)の付いた友人の名前を確認する事が出来ました。
「やったー! 当選、本当におめでとうございます!」 と心の中で叫びました。
これからは、健康に留意し、公約を果たすために、一生懸命汗を流して
頂けるものと期待しております。

次回の選挙からは、身体障害者にとって 「投票所」 に行く負担がない、
「郵便投票」 制度を勉強して、積極的に社会参加をして行きたいと考えています。
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リハビリテーション
4月20日

リハビリテーションは日常生活活動の動作を維持する重要な問題です。
しかし、それは次第に衰えて行く身体機能との戦いでもあり、
失われた身体機能を補うための工夫との戦いでもありました。

日常生活を取り戻したいと言う思いとは逆に、冷酷にも症状は悪化の一途
を辿るばかりでした。
病状の進行は極めて早く、先週出来た簡単な肘の曲げ伸ばしの動作が
今週は出来ない自分に呆れ果て、強制笑いが出るほどでした。

動機能障害が進行し、四肢麻痺、首が座らない、座位が出来ない、
寝返りが出来ないなどの症状があり、発病から僅か4年足らずで寝たきり
の生活になりました。

今では、自分の意志で手や足を動かす事が全く出来ないため、リハビリテーションを
お願いしています。
ALSのリハビリテーションの目的は、廃用性の筋力の低下、関節拘縮など
を防ぐ事にあります。

そして、関節可動域(ROM)訓練や生活改善提案者としての視点で見守って
いて下さる作業療法士さんに感謝しています。

 歩行可能期(99年秋頃〜01年07月)<55歳〜57歳>
足や手に異常を感じ、病院を巡り歩き2001年04月27日(56歳)にALS
の告知を受けました。

住宅改造の手配
進行する病気に備えて住宅改造(01.08.29完成)を行ないました。
スロープの設置。段差の解消。廊下、トイレへ手摺りの取り付け。
ウォッシュレット(ワイヤレスリモコン付き)の設置をしました。

歩行障害の対応
この期間は、手や足の不自由を感じ、通勤は自転車から自家用車での
送迎に切り替えました。
また、歩行の際は、転倒防止のため「杖」を利用しました。
※登山用杖 01.06.08 長女からの誕生日プレゼント(57歳)

 歩行困難期(01年07月〜03年10月)<57歳〜59歳>
次第に衰えて行く身体機能(手、足、首、声、嚥下、呼吸)に、不安を感じながら、
残存の身体機能を活用すると共に失われた身体機能を補うために、
家族の介助や日常生活用具の助けを借りたり、リハビリテーション
を始めたりする辛い日々が続きました。

<福祉用具レンタルサービス利用>1割負担 ※印は全額負担
シャワーベンチ
ノルディックスライド
マルチグローブ
※ウレタンマット
シャワーキャリー
※尿器
01.07.18 入浴用
02.06.18 寝返り用
02.06.18 寝返り用
02.10.03 肩痛み対応寝具
02.10.10 入浴用
02.12.05 トイレまで行けない

<福祉車両購入>ー自動車税、自動車所得税の減免
エステマ購入(助手席移動、リフト付) 02.06.29

関節可動域(ROM)訓練
関節が硬くなって動き難くならないように、各関節を十分に屈曲伸展を
繰り返し行なってもらう事です。
01.12.06〜03.01.31 毎週2回 月、木曜日 I作業療法士
03.02.01〜03.03.31 毎週1回 火曜日 I作業療法士
03.04.01〜06.07.31 毎週1回 木曜日 G作業療法士

言語障害の対応
舌、咽頭筋の麻痺により、次第に発音が不明瞭になって来て、
第三者には聞き取り難くなって来ました。
パソコン(伝の心)練習 02年秋頃〜03年秋頃
文字盤の作成、練習 03年02月〜現在
意思伝達装置の申請 03年06月〜03年12月

嚥下障害の対応
舌の動きが鈍くなり、飲み込む力も次第に衰えて来ました。
誤嚥による肺炎を防ぐため、食事をキザミ食、トロミ食、ミキサー食へと
切り替えて行きました。

また、嚥下障害が進行し、経口摂取は一切出来なくなりましたので、
胃ろう造設(2003年09月59歳)をしました。

呼吸障害の対応
呼吸筋の筋力が低下すると、肺活量も減少して換気が十分に行なわれず、
眠りも浅くなり、血液中の炭酸ガスの量が増し、頭痛の症状が現れます。
肋間筋、体幹筋のストレッチによる脊柱、胸郭の可動域訓練が必要です。

以上のように、福祉、保健、介護に携わる多くの人々との新しい出会いが
あり、沢山のご支援を頂きました。
それでも、進行していく病気に対する不安は消える事はありませんでした。

 歩行不可、臥床期(03年10月〜現在)<59歳〜現在>
運動機能障害(四肢麻痺、首が座らない、寝返りが出来ない)が進行し、
寝たきりの生活になりました。 
また、呼吸障害が進行し、発病後4年頃に気管切開手術(2003年10月59歳)
を行ない、人工呼吸器を装着しました。

<福祉用具レンタルサービス利用>1割負担
電動ベッド(3モータ式)
車椅子(介助式、屋内用
車椅子(ヘッドレスト付)
電動ベッド(楽匠)
ベッドサイドテーブル
01.12.03-03.12.10
02.01.19-03.12.28
03.09.01-04.06.30
03.12.10-継続中
03.12.28-継続中

<福祉用具購入>1割負担 ※印は全額負担
意思伝達装置(伝の心)
専用車椅子納品
※リハビリシューズ
※万能型開口器
03.12.17
04.07.15
06.05.13
06.09.25
納品 費用一部負担
5,775円
散歩、外出用
25,000円

<福祉車両購入>自動車税、自動車所得税の減免
VOXY購入 05.04.11 (スロープ式)

関節可動域(ROM)訓練
関節が硬くなって動き難くならないように、各関節を十分に屈曲伸展を
 繰り返し行なってもらう事です。(過労にならない程度)
03.04.01〜06.07.31 毎週1回 木曜日 G作業療法士
06.08.01〜継続中 毎週1回 木曜日 I作業療法士
06.11.20〜継続中 毎週1回 月曜日 A作業療法士

言語障害の対応
気管切開手術(2003年10月59歳)を行ない、完全に声を失いました。
呼び出しブザーや意思伝達装置(伝の心)の導入により、コミュニ ケーション
障害を乗り越え、電子メールやインターネットでの情報検索、ホームページの
原稿作成など楽しみが増えて来ました。
意思伝達装置(伝の心) 03.12.17 納品
文字盤の作成、実践 03年02月〜現在 (携帯に便利)

嚥下障害の対応
嚥下障害(球麻痺がひどく飲食物の嚥下が全く出来ない)があり、
経口摂取は怖くて一切出来ません。

自分の唾液でさえ飲み込む事が出来ず、24時間口に排唾管をくわえ、
低圧持続吸引器で唾液を吸引している状態です。

そのため、開口障害が進行し、口腔ケアに支障が生じ 「万能型開口器」で、
2回/日、10分/回程度の開口訓練を行なっています。

呼吸障害の対応
呼吸障害が進行し、気管切開手術を行ない、人工呼吸器を装着したので、
排痰訓練(吸引の仕方)の指導を受けました。

痰の吸引は医療行為なのに、看護師さんによって大きな差が有り、驚いています。
まるで、ビンの底に貯まった水を吸引するような感覚の看護師さんが多いのです。

それで、妻が素晴らしい医師のホームページに出会い、それを参考にして、
身体に負担のない痰の吸引を行なっています。
 
ホームページアドレス  (山本の主張)
 http://www3.coara.or.jp/~makoty/column/050809column.htm 

<ご注意>
 カテーテルを12p以上奥に挿入しないでください。
 気管支の奥にタンがあると思い込んで、カテーテルを奥まで挿入し、
 突っつく(時には出血も!?)看護師さんがおります。
 とても苦痛ですので、絶対しないでください。

外出の対応
寝たきりのALS患者にとって、外出(散歩やドライブ)は何よりの楽しみであり、
最高の気分転換になります。
社会資源の活用により外出が可能になったことに本当に感謝です。

そのため、人工呼吸器が搭載出来る 「専用車椅子」 と 「福祉車両」
を準備してもらいました。

以上のように、リハビリテーションや生活改善によって、QOLを向上させる事が大切です。

そして、生き甲斐を見出し、目標を持って生きる 「心のリハビリ」 も
必要ではないかと考えています。
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訪問入浴サービス
3月20日

入浴の問題は身体の清潔を保つ重要な問題です。
しかし、それは次第に衰えて行く身体機能との戦いでもあり、
羞恥心との戦いでもありました。

健常者が人前で、全裸になって身体を洗って貰う、洗髪をお願いする
行為にはかなりの抵抗があるようです。

しかし、徐々に進行して行く運動機能障害や呼吸障害が、
その抵抗や羞恥心を取り除いてくれるのです。

今では、ALSは難病中の難病であることを総て受け容れ、
自他共に認める重度障害者です。

そして、訪問入浴サービスによって妻の介護の負担が軽減され、
清拭では得られない満足感がある上に、身体の清潔が保たれます。

訪問入浴をしてくださる看護師さんやヘルパーさんに感謝しております。

 歩行可能期(99年秋頃〜01年07月)<55歳〜57歳>
足や手に異常を感じ、病院を巡り歩き2001年04月27日(56歳)にALS
の告知を受けました。
手や足の不自由を感じ、進行する病気に不安を抱きながらも、
この期間は、自力で入浴や着替えの動作が出来ていました。

 歩行困難期(01年07月〜03年10月)<57歳〜59歳>
次第に衰えて行く身体機能(手、足、首、声)に不安を感じながら、
残存の身体機能を活用すると共に失われた身体機能を補うために、
家族の介助や日常生活用具の助けを借りる辛い日々が続きました。
妻は一人で、私の不自由な身体を支え入浴介助をしてくれた事に
本当に感謝しております。

<福祉用具レンタルサービス利用>1割負担
車椅子(介助式、屋内用) 02.01.19-03.12.28

<福祉用具購入>-1割負担 ※印は全額負担
車椅子(介助式、屋内用) 02.01.19-03.12.28
※登山用杖 01.06.08 長女からの誕生日プレゼント(57歳)
シャワーベンチ 01.07.18 入浴用
シャワーキャリー 02.10.10 入浴用

浴室への移動の介助
杖→手摺り→車椅子(介助式、屋内用)→シャワーキャリー
※浴室は滑り易いので、転倒には十分な注意が必要です。

衣服の脱着の介助
上着を脱いだり、ズボンのボタンを外したり掛けたりする事が出来ない。
また、チャックやズボンの上げ下げが出来なくなりました。
そのために、妻は私を車椅子から化粧洗面台にしがみ付いて立たせ、
着替えをしていました。

浴槽への離着の介助
浴槽の端にスノコを設置し、その上に回転板を置きました。
シャワーキャリーから回転板に移乗し、方向転換をしながら浴槽に入るのです。
また、一旦座ると自力で立ち上がる事が出来ないため、介助する妻は大変苦労しました。
そのため、夏は入浴しないで、シャワーベンチやシャワーキャリーを利用しての
「シャワー浴」 が多くなりました。

洗髪や身体の洗浄の介助
手足が不自由なため、シャワーベンチやシャワーキャリーを利用して、
妻の全介助が必要でした。

このような介助が必要な状況でも、訪問入浴サービスや看護師さん
の入浴介助の制度を知っていても、何故か、利用する気持ちにはなり
ませんでした。

しかし、訪問看護ステーションKの看護師さんの勧めで
「お試し訪問入浴」 を2回(2003年5月、12月)体験して見ました。

入浴器材が搬入し易い部屋、ベッド1台分程度のスペースが必要で、
部屋のレイアウトを考慮しなければならない事が分かりました。
また、3人編成で訪問してくれるので安全で安心です。

ですから、長期に亘って介護を続けなければならない妻の負担を考えると、
羞恥心などは我慢しなければならないと思うようになりました。

 歩行不可、臥床期(03年10月〜現在)<59歳〜現在>

運動機能障害(四肢麻痺、首が座らない、寝返りが出来ない)が進行し、
寝たきりの生活になりました。 
また、嚥下障害が進行し、経口摂取は一切出来ないため、
胃ろう造設(2003年09月59歳)をしました。
更に、呼吸障害が進行し、発病後4年頃に気管切開手術(2003年10月59歳)をし、
人工呼吸器を装着しました。

以上のような病状から、妻の介護の負担を軽減するため、
「訪問入浴サービス」をお願いせざるを得ませんでした。

<訪問入浴>介護保険適用で1割負担 1,250円/回
週1回 月曜日 (2004年1月〜6月)
週2回 月、金曜日 (2004年7月〜現在)

<準備物品>
バスタオル(2)、タオル(5)、軍手、シーツ、パジャマ、パンツ、お湯、シャンプー、リンス、
ヘアドライヤー、耳栓、カニューレバンド、タライ(洗濯物入れ)
<訪問入浴フロー>━━━所要時間約1時間━━━
バイタルチェック 脱衣
浴槽準備 浴槽へ移動 身体洗浄 ベッドへ移動 浴槽洗浄 浴槽片付け
 ↑
お湯準備 更衣 気切部ケア 記録
看護師(1名) ヘルパー(2名)

<ご注意>
 訪問入浴時間中は、原則として家族の立会いが必要です。
 もしも、外出する場合は 「同意書」 の提出が必要です。

以上のような流れの介護が長期にわたって必要ですが、それでも、
私は 「訪問入浴サービス」 利用したいと考えています。
なぜなら、妻の介護の負担が軽減され、全裸になることで、清潔が保たれ、
ALS以外の余病を早期に発見し、未然に防止したいと考えているからです。
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在宅療養中のトラブル .3
2月23日

私のALSの4大障害の発症順位を挙げると、次のとおりです。

運動機能障害 1999年(55歳)秋頃 足の違和感で発病
コミュニケーション障害 2000年(56歳)秋頃 構音障害の初期
嚥下障害 2003年(59歳)09月13日 胃ろう造設
呼吸障害 2003年(59歳)10月14日 人工呼吸器を装着

発病後、わずか4年でALSの総ての重い障害が襲い掛かり、不動の身体となり、
寝たきりの生活を強いられています。
あらためて、進行性神経難病の恐ろしさを実感してるところです。
今の私の病状は、足や手が全く動かず、その上声を失い会話をする事も出来ません。
また、口から食べる事も、自力で呼吸する事も出来ません。
それでも、私は生きる事を選んで良かったと思っています。
なぜなら、たった一つの大切な、大切な 「命」 だからです。

ところで、呼吸障害が進行し、発病後4年頃に気管切開手術(2003年10月59歳)を行ない、
首にカニューレを取り付け、それに人工呼吸器を装着しました。

気管切開手術によって得たもの─── 呼吸の確保による 「命」

気管切開手術によって失われた身体機能
何よりも声が全く出なかった事に大きな衝撃を受けました
首から上の気道がカニューレで塞がれ、口や鼻から吸う、吐くの動作が出来ないため、
鼻をかむ、臭いを嗅ぐ事は出来ない
更に、 「聴力低下」 の症状が現れたのです

人工呼吸器を装着した人は耳の聞こえが悪くなりやすいと言う話を良く聞きます。
私もその一人でした。
人工呼吸器を装着して8ヶ月経った頃の事でした。聴力が次第に低下し、
会話やテレビの音が聞き取れなくなったのです。

Tクリニックに往診に来て頂き、注射器で両耳に溜まった水を抜き取ると、
直ぐに回復しました。
本当に感謝です。
82日間で6回の往診をして頂き、水を抜いて頂きました。

2004年9月2日午後、T厚生病院、耳鼻咽喉科のO医師によって手術が行なわれました。
耳に麻酔をしてから、鼓膜に穴を明け、そこに小さなドレン(シリコンチューブ)を挿入し、
約1時間で完了です。
お蔭さまで今では、聴力も回復し、2年余りは何も問題はありませんでしたが、
最近は耳から出血するようになりました。

しかし、耳のトラブルが発生するとTクリニックが往診に来てくれますし、
T厚生病院へ定期入院の際には耳の検診も行なっていますので安心です。
このように、地域社会に根差した医療の恩恵を享受出来る体制、
環境に心から感謝しております。

耳のトラブルの経過と対応

2003年(平成15年)59歳
10.14 気管切開 (T厚生病院 内科 10,13-12,05)

2004年(平成16年)60歳
03.08 定期入院 (T厚生病院 内科 03,05-03,16)
06.12 耳聞こえが悪くなる
06.21 耳に液が溜まる 聴力回復 (Tクリニック往診 7/5,23,8/5,13,24)
09.02 鼓膜手術 (T厚生病院 内科 09.01-09.10)
11.05 耳検査 Tクリニック往診

2005年(平成17年)61歳
01.18 耳検査 Tクリニック往診
03.24 定期入院 (T厚生病院 内科 03.18-03.25)
07.07 耳検査 Tクリニック往診
09.28 定期入院 (T厚生病院 内科 09.27-10.03)

2006年(平成18年)62歳
03.08 定期入院 (T厚生病院 内科 03.07-03.14)
09.06 定期入院 (T厚生病院 内科 09.05-09.12)
09..1 右の耳から出血
09.2 耳の治療 (Iクリニック往診 10/2,10,16,23)
11.19 左の耳から出血

2007年(平成19年)63歳
01.28 左の耳から出血
02.06 耳の治療 (Iクリニック往診 2/15,22)

「聴力低下」 の医学的根拠などは知る由も有りませんが、とても関心があるところです。
そこで、次のホームページに出会い、少しでも疑問が解消され、納得した気分になりました。
 
   「神経筋難病情報サービス」
    http;//www.niigata-nh.go.jp/nanbyo/
    →筋萎縮性側索硬化症(ALS)
     →ALSについてよく聞かれる質問
      →人工呼吸器を付けているのですが、
       最近、聴力が衰えてきたようなのですが?

<回答全文>
長期に人工呼吸器を使用していると、滲出性中耳炎のために
耳が塞がった感じや、聴力の低下が生じます。

鼓膜の奥の部屋(中耳腔)と鼻腔の奥の上咽頭とは耳管によって
つながっており中耳腔の圧が調節されています。
汽車で急にトンネルの中に入ったとき、耳がぼーんと少し痛くなるのは、
外気の圧が急に変わって鼓膜が急に圧迫されるからですが、
つばを飲み込むことによりそれが良くなるのは、
空気が耳管を通り中耳に流れ中耳腔の圧と外気の圧が同じになるからです。

気管切開がしてあると、呼吸によって空気が上咽頭を流れることがなくなり
耳管が閉塞してしまうため、中耳腔の粘膜からにじみ出た滲出液が
中耳腔内にたまってしまうのです。

滲出性中耳炎の治療としては、投薬、耳管カテーテル、鼓膜窄刺で
液を抜くなどの治療法がありますが、滲出性中耳炎の原因
(中耳腔の換気が悪い)が治らないので完全に良くすることは困難です。

人工呼吸器を装着している場合には、耳鼻科医によって鼓膜に
開けた小さな穴にチューブを留置して置く事が有効と言われています。
ただし、鼓膜にチューブを留置してある場合には、
入浴時などに耳の中(外耳腔)に水を入れないように注意してください。
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在宅療養中のトラブル .2
1月20日

私のALSの4大障害の発症順位を挙げると、次のとおりです。

運動機能障害 1999年(55歳)秋頃 足の違和感で発病
コミュニケーション障害 2000年(56歳)秋頃 構音障害の初期
嚥下障害 2003年(59歳)09月13日 胃ろう造設
呼吸障害 2003年(59歳)10月14日 人工呼吸器を装着

発病後、わずか4年でALSの総ての重い障害が襲い掛かり、不動の身体となり、
寝たきりの生活を強いられています。
あらためて、進行性神経難病の恐ろしさを実感してるところです。

今の私の病状は、足や手が全く動かず、その上声を失い会話をする事も出来ません。
また、口から食べる事も、自力で呼吸する事も出来ません。

このように、失われた身体機能は余りにも大きくショックを隠し通す事は出来ません。

もしも、このような障害が短期間に総て襲い掛かったとしたら、
私は奈落の底に突き落とされ、病気に負けて、這い上がれず、人生を
諦めていたに違いない。

幸いな事に、55年間の健常者としての生活が与えられた事、身体障害者
としての準備期間を4年与えられ、多くの人々のご支援を頂いた事です。
また、残された身体機能である知覚や五感を活用出来る事です。

余命は幾許か知る由もありませんが、生涯に亘って障害と向き合って
生きて行かなければなりません。

ALSの4大障害は進行はするものの現状より良くなる事はありません。
現状では治療方法が確立されていない難病なのです。

しかし、 「コミュニケーション障害」 だけはどうしても乗り越えなければならない
重要な問題です。

なぜなら、ALS患者は一人では絶対に生きて行く事が出来ないからです。
失われた身体機能を補うために介護者に自分の意思を伝えて手助けをして
貰う必要があるからです。

私が気管切開手術をし、人工呼吸器を装着し、声を失ったときの心境です。

    *目の前の 妻を呼べない 悔しさよ
          目が合うまでの チャンスを待つ

自分の意思を伝える第一歩は、在宅療養の場合は 「呼び出しブザー」、
入院や施設療養の場合は「ナースコール」を完備する事が必須条件となります。

これをきっかけに、私の場合はマバタキ合図3回で文字盤を利用して、
自分の意志を伝える事が出来るのです。

私は、ピンタッチスイッチ(価格:42,000円)を購入しました。

川村義肢梶@埼玉県所沢市 (必ず、要望に応えてくれます)

額にアルミ箔をL字形にしテープで貼ります。ピンタッチスイッチを
額に皺を寄せてアルミ箔に当たるようにテープで止めます。
これで、 「呼び出しブザー」 の操作が確実になりました。

<ご注意>
意志通りに動く部位(額)にピンタッチスイッチを設置する
リード先端部は被覆より裸線が出ているようにする
アルミ箔は8枚重ね以上とする
テープの幅、長さ、本数、粘着力は一定の品質に保つ
ピンタッチスイッチの感度調節つまみの位置は1/2にする
ピンタッチスイッチと「呼び出しブザー」の接続は確実に
一度剥がしたテープを再び使用しない。毎日貼りかえる
セット後や体位交換をした場合には必ず動作を確認する

今では、 「呼び出しブザー」 は日常生活に欠かすことの出来ない必需品であり、
私の声代わりです。

この音で妻は夜も目を覚まし、私の介護に当たってくれます。

私が穏やかな気持ちで在宅療養生活を送る事が出来るのは、
介護者(妻)とのコミュニケーションが取れて 「必要な時に、必要な介護」 を
受けているからだと感謝しております。

(このように、24時間見守り続けている妻の介護の負担を考えると、
せめて、訪問看護、訪問入浴、定期入院やレスパイトサービスなどの利用時には、
私の介護から解放され、気分転換をしてもらいたいと考えています。)

しかし、手、足や声の自由を失い、目だけしか動かない寝たきりの
ALS患者にとって、 「呼び出しブザー」 が鳴らないトラブルが発生すると一大事です。

助けを求める唯一の伝達手段を失ってしまったからです。

目の前に危険が迫っている事が分かっていても、自分では回避出来ないと
言う不安と恐怖感に襲われます。

例えば、蚊が音をたてて飛んで来て、頬に止まり刺されても反撃が出来ないのです。
蚊の餌食にされてしまうのです。

また、気が付いてもらうまでの時間はとても長く感じ、このまま死んで
しまうのではないかと言う孤独感と疎外感に駆られ、とても不安になるのです。
ですから、この時ばかりは、怖い形相をして妻に八つ当たりしてしまいます。

更に、人は会話をする際、相手の目を見て会話をしていない場合が多い事が分かります。

ですから、必死でマバタキ合図をしても、気が付いてくれないのです。
     
        *秋の夜 呼び出し鳴らず 夜明け待つ

タンが絡み息苦しい時間を人工呼吸器のアラームが鳴るまで過ごすのは
死の恐怖を感じるほど辛いものです。

また、身体の一部がシビレ、体位交換をしたくても我慢をしなければならない。

更に、暑さ、寒さを凌ぐために掛け物を調節したくても我慢をしなければならない。
痒いのも我慢をしなければならない。

このように、自らの意志を発信できない場合には 、 「必要な時に、必要な介護」 が
受けられず、辛くてストレスが溜まる療養生活を送る事になります。

これがまさに、コミュニケーション障害に陥った状態なのです。
(日本ALS協会群馬支部総会に出席の際、この事で悩んでおられる
ご家族の方がいらっしゃいました。解決されたか?心配です。)

このような状態を回避するため、我が家では上記の<ご注意>事項を守っています。

病院では、看護師さんが処置を終えて、病室を離れる際に、
「ナースコール」 の動作を確認する行為が重要なチェック項目になっているようです。

なぜなら、患者は 「安心」 を、看護師さんは患者の 「安全」 を確保出来るからです。
また、夜間は、定時巡視(2時間間隔)が行なわれています。

ALS患者は看護師さんの助けを待っています。ドア付近から眺めるのではなく、
ベッドまで詰め寄り、懐中電灯をつけて、患者の目を確認してください。

何かを訴えている筈です。

介護をする側も介護を受ける側も、安全で安心な療養生活を送るためには、
コミュニケーション障害を乗り越え、介護をする側の責任で患者の意思に応える
「必要な時に、必要な介護」 が出来る環境創りが最も大切です。

ところで、神様は、私に健常者と身体障害者の二つの人生を歩ませる事を選びました。

貴方だったらキッと障害を乗り越えて生きて行く事が出来る。

そして、病気の体験をより多くの人に知って頂く事が貴方の使命である
と言っているような気がします。

幸いな事に、ALS患者は肉体的には身体障害者であっても精神的には
健常者である事です。

痛みを伴わない身体障害と知的生産活動によって新しい人生が開けると信じています。

声を失い、会話をする事が出来ないだけに、パソコンを利用して自の思いを込めた
文章が出来上がると、ストレスを解消したような爽快な気分になります。

どんなに美しい声で話しても、どんなに大きな声で話しても、会話はその場限りです。

しかし、一旦文章にしてデータ化する事によって、インターネットを通じて、
日本国内は勿論の事世の隅々まで届けられるのです。

私は、難病のALSと向き合って本気で生きた証しを残したい!

そして、「コミュニケーション障害」を乗り越えて、病気の体験を闘病仲間やそのご家族、
医療、福祉、介護に携わる人々、医大生、看護学生などより多くの人に知って頂きたいと
考えています。

2006年11月28日横浜市で「ALSの国際会議」が開催されました。
これは、日本ALS協会の設立20周年記念の一大行事でした。

世界中の人々がALSと向き合って居ることは心強い限りです。

難病が難病でなくなる時代が必ずやって来る事を信じ、希望を持って生き、
大切な 「命」 を守り続けたいと考えています。
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