山の御光(グローリー)
七色の虹の形は円弧を描く
大空の架け橋ばかりだと思っていた。

ところが、自分の影を中心に
虹の丸い輪ができる不思議な
現象を初めて体験することが
できました。

それは、新穂高温泉から笠新道を辿り、
笠ガ岳山荘に着いてから荷を降ろし、
夕方、笠ガ岳山頂に立ったときのできごとである。

北アルプスの雄大な景色に見とれている
うちに霧の壁が発生し、槍ヶ岳方面の
稜線が見え隠れしていた。

そして、大陽の光が自分を背にして
照りつけた時でした。

自分の影が大きく写し出され、
自分の影を中心に丸い虹の輪が霧の壁の中に
現れたのです。

輪の外側は赤で、内側は青で輪の
中心部分が最も明るく見えた。

この現象は霧粒が光を後方に
回折するために生ずるもので、
ヨーロッパでは「ブロッケンの妖怪」
などと呼ばれているそうです。